「なの……っ!」
 なのはへの用事を済まそうと部屋を訪ねると――
「……ん、すぅ……っ」
 なのはが、とても気持ちよさそうに眠っていました。

 始まります。


 さて、一体どうすればいいのでしょうか?
 こんなのも気持ちよさそうに眠っている、なのはを起こすのは少々可哀想な気がします。
 きっと疲れて眠っているのでしょうから、出来ることならば休ませてあげたい。
 そういう風に思うのです。
「……ん、んぁ……」
 すやすやと眠るなのは。
 あぁ……少し。ほんの少しですが、ちょっとした悪戯心が湧いてきました。
 寝ているなのはに悪戯をする。
 せっかく気持ちよさそうに眠っているのに、それを邪魔する行為。
 そんな行為はするべきではない。そんなことは初めから分かっています。
 ですが――どうやら私は、自分の心を制御することが出来ないようです。
 人のせいにするのは間違っていますが、なのはが悪いんですよ。  

 あなたの寝顔が可愛いから。
 あなたが幸せそうに眠っているから。
 あなたが、あなたが――

「……い、いきます」
 意を決して、なのはの頬に手を伸ばす。
 ぷに……ぷにぷに。
 指で何度かなのはの頬を突く。
「……とても、柔らかいです」
 柔らかくて、癖になりそうなほど気持ちいい。
「んにゃ……ぅん……」
 ――とと。いけません。あまり突き過ぎると、なのはが起きてしまいます。
 悪戯は見つからないようにしないといけませんからね。
 こっそりと、静かに……そしてバレないように行動しなくては。
「……ん、ちゅぱ……っ」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?」
 一瞬の隙? をつかれて、なのはに指を咥えられてしまいました。
 ど、どど、どうしましょう!? どうすればいいのですか!?
「ちゅっ、ちゅっぱ……んにゅ……おいしい……♪」
 何度も何度も、なのはが指を舐めまわす。
 あー、そ、その……

 ダメです。頭が沸騰しそうです。
 無意識とはいえ、なのはが私の指を舐めている。その事実が私をパニックにさせる。
 どうすればいいのか分からなくて、だけどもっと舐めていて欲しくて。
 訳が分からず、ただ『う〜あ〜』と声を漏らす。
 私は一体、何をやっているのでしょうか?
 なのはに用事があったはずなのに。その用事を消化しようとせず、指を舐められている。
 こんなの私らしくない。そんなことは十分理解しています。
 理解…………しているのですが――

「なのは。あなたはほんと、罪作りな人ですね」
 寝ていてもなお、私の心を惑わす。
 ほんとにズルイ人です。あなたは。
 ですが、一番ズルイのはきっと――

 自分の感情させもあなたのせいにしている私なのでしょうね。

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