ヒラヒラと舞い降りる白い結晶。
 愛しのあの人と同じくらい真っ白な色。
 綺麗……そう思うが、それと同時に不安な気持ちになる。
 だってあの時の事を思い出してしまうから。

 始まります。


「あ、雪……」
 なのはの声につられて空を見ると、雪が降ってきていた。
「そっか。もう雪が降る季節なんだね」
 感慨深そうに雪を見つめるなのは。
 しかし、ワタシはそういう気分で雪を見る事は出来なかった。
 雪を見ると嫌でも思い出してしまう。
 自分の不甲斐なさを。大切に想っていたマスターを守る事が出来なかった事を。
 あの時もう少しワタシがシッカリしていたら――
「レイジングハート?」
「――な、何ですか? なのは」
 あの時の事を考えてる時に話しかけられて驚いてしまう。
「どうしたの? 考え事?」
「あ、いえ……」
 何を考えていたかなんて言えるわけがない。
 あの時の事は、なのはもあまり思い出したくないだろうし、言ったところでワタシの
せいじゃないと言うだろう。
“あれは、わたしのせいであって、レイジングハートのせいじゃないよ”って、
 なのはは、優しすぎるから絶対にそう言うだろう。
 だから言えない。
「……もしかして、あの時の事を考えてたのかな?」
「――――――っ!?」
「やっぱり……」
「そ、それは――」
 この時違うと、咄嗟に嘘を吐く事が出来ればよかったのだろうけど、嘘を吐く事が出来なかった。
 普通に驚いたというのもあるが、なのはに嘘を吐きたくはないという想いがあったから。
「あれは、わたしのせいであって、レイジングハートのせいじゃないよ」
 やはりこの言葉を言われた。
「ですが――」
「本当にレイジングハートは頑固だね」
「そんな事はない……と」
 ワタシはそこまで頑固では無いと思っているのですが……
「にゃはは。大体そこまで深く考えなくてもいいのにね」
「え……?」
「だって、わたしは今こうして此処に居るんだから。確かにあの時は大変だったし、周りの人にも迷惑を
かけたけど、わたしは此処にいる」
「なの……は」
「あの時の事は反省してる。だからもう二度と同じ失敗はしない。だから大丈夫だよ」
 確かになのはなら同じ失敗はしないかもしれない。だけどいつかは――
「む〜そんなに心配なら、レイジングハートがわたしを守って」
「ワタシが……」
「そうだよ。わたしが同じ失敗をしないようにずっと近くで見守ってくれてたら大丈夫だよね」
「そう……ですね」
 過ぎ去った事はどうする事も出来ない。だったら、もう二度と同じ失敗を繰り返さないようにすればいい。
 仮になのはが失敗しても、ワタシがフォローすればいいんだ。
「分かりましたなのは。これからもずっと近くで、あなたを見守っていきます」
「うんっ!」
 この雪のように白くて純粋なあなたを最後のその時まで守り続けます。
 融ける事なく永遠に――

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