これは罠だ!
 そう自分に言い聞かせないと理性を保つ事が出来ない。
 そう。これは、なのはの罠なんだ――

 始まります。


 どうして、こんな事になっているのだろうか?
 初めに浮かんだ言葉は疑問だった。
 どうして? 何故? 
 なのはは、ベッドの上に下着姿というなんともだらしない格好で寝ていた。
 普段はそんな格好じゃないのに、どうして今回に限ってそういう姿なんだろうか?
 一つ思い浮かぶのは――
「誘っている……?」
 あたしにエッチな事をして欲しくてわざと、そういう格好をしているとか……?
 でも、単純に疲れていて着替えるのも面倒だったのかもしれない。
 前者だった場合は、喜んでエッチな事をしたいけど……
 もし後者だった場合、あたしの尊厳が危うい事になってしまう。
 どっちだ? どっちなんだ?
 どうすればいいか悩んでいると、

「ヴィータちゃんのヘタレ……」
 なんて不名誉な事を言われてしまった。
「何でヴィータちゃんは何もしてくれないの?」
 ムスッとした表情を浮かべるなのは。
 でもな、普通は誰だってあたしと同じ動きを取ると思うんだ。
 罠かどうか疑うだろ普通は。
「ヴィータちゃん。もしかして、わたしに興味なにのかなぁ?」
「そ、そんなわけないだろ!」
 あたしは、なのはが大好きだし愛している。
 そんなあたしが、なのはに興味が無いなんてあるわけがないだろうが!
「……そっか♪」
「当たり前だろ」
 そんぐらい理解しろよな。
「じゃあ、わたしを襲って」
「は――っ!?」
 コイツは今なんて言った? わたしを襲って?
「だから、エッチな事をしよ」
「あ、あぅ……」
 面と向かって誘われると恥ずかしいものがあるな。
「む〜ほんっと、ヴィータちゃんってヘタレなんだからっ!」
「ご、ごめん……」
「……いいよ。それがヴィータちゃんだもんね」
 なんだよそれ。あたしがヘタレの象徴みたいな言い方じゃねぇかよ。
 あたしだって本当は――

「好きだよ。ヴィータちゃん」
「ぅ……っ」
 もう。ヘタレでいいよ。
 どうせあたしはヘタレで臆病だよ。
 それでいいんだろ!?

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