手を繋ぐという行為はとても温かい。
 それが愛おしい人なら尚更いいものだ。
 そんな事に気づくことが出来たワタシは、とても幸せなんだと思う。

 始まります。


「――――――と、いうわけなんですよ」
「へぇ〜そうなんだ〜」
「ええ、そうなんですが……なのは?」
 普段の会話。何も珍しい光景でも無いいつも通りの時間。
 そのはずなんだけど……
 さっきからその、なのはの視線が気になる。
 なのはの視線は、ワタシの目を見るわけでもなく周りを見ているわけでも無い。
 ただ、ずっとワタシの手を見ているのだ。
「さっきから何でワタシの手を見ているのですか?」
「何でもないけど、レイジングハートは見られるのは嫌?」
「嫌ではありませんが……」
 ワタシの手なんか見ても面白い事はないでしょうし、ワタシとしてもずっと手ばかり見られて
いると、少々恥ずかしいものがある。
「別に変な意味で見ているわけじゃないから気にしないで」
「は、はぁ……」
 そう言われてしまうと何も言えなくなってしまうが、やはりなのはの視線は気になる。
 他の人の視線ならここまで気にならないと思うが、なのはは違う。
 なのはがワタシの手を見て何を思っているのか? 何故ワタシの手を見ようと思ったのか?
  どうしても気になってしまう。
「あ、あの、なのは……」
「えいっ!」
 なのはに手を見ないように言おうとした瞬間、なのはに急に手を握られてしまう。
「な、なのは――!?」
「にゃははっ。やっぱり、レイジングハートの手は温かいね♪」
「え……?」
 ワタシの手が温かい? 体温が高いという意味なのだろうか?
「えと、そんなにワタシの身体は温かいのですか?」
「もーっ! そういう意味じゃないよ」
「?」
 ワタシの体温が高いという意味ではなかったようだ。では――
「あのね、レイジングハートの身体が温かいんじゃなくて、レイジングハートだから温かいんだよ」
「ワタシだから……?」
「そう。大切なレイジングハートの手だから温かく感じるんだよ」
「大切だから……」
 ああ、そうか。そういう事だったのですね。大切な人だから温かく感じる。
 それは体温の事を言っているのではなくて、心が感じる温かみなのだ。
「…………」
「レイジングハート?」
「ワタシも温かみを感じますよ。なのはがワタシの手を握ってくれているから、なのはだから温かく感じます」
「うん♪」

 自分が大切に想っている人はこんなにも温かかったのか。
 ただ手を繋ぐという行為なのに、そう感じてしまうのは凄い事だと思う。
 そして、その事を知ることが出来たワタシは、とても幸せなんだと思います。

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