幸せな日々。
  だけど、偶には普段と違う事がしたい。
 日々の幸せを噛みしめるには、やっぱりちょっとしたスパイスがいるもんね。

 始まります。


『お帰りなさい、あなた』
『ああ、ただいま』
『ご飯にする? お風呂にする? それとも……わ・た・し?』

「こ、これだ……」
 偶々点けたテレビで流れていた内容。
 わたしは、それを見て一つのアイデアを思いつく。
「これだったら、ヴィータちゃんも……」
 喜ぶあの人の顔を思い浮かべながら、わたしは顔を綻ばせる。
 別に普段の生活に不満は無い。むしろ幸福なくらいだ。
 大好きなヴィータちゃんが居て、わたしの事を愛してくれている。それだけでわたしは、
日々を満足している。
 だけど……そんな幸せな日々にもちょっとしたスパイスは必要だと思う。
 やっぱり、ちょっとしたハプニングがあるから、楽しいんだと思う。
 だから――ちょっと内容としては古いかもしれないけど、この作戦を実行しようと思う。
 にゃはは。楽しみにしててね♪ ヴィータちゃん。

「そろそろかな……?」
 ちらりと、時計を見る。
 時間的にはそろそろヴィータちゃんが帰って来る頃だと思うんだけど……
「ただいま〜」
「あっ! お帰りなさいヴィータちゃん♪」
 ヴィータちゃんが帰って来た。これで、あの作戦を実行する事が出来るよ。
「ただいま、なのは」
「うん。お帰りなさいヴィータちゃん。ねぇヴィータちゃん、ご飯にする? お風呂にする?
それとも……わたしにする?」
 予定通りのあのセリフを言う。
「なっ! な、ななな、なのはっ!? 何を言って――」
 顔を真っ赤にしながら、ヴィータちゃんが慌てる。
「ねぇ……ヴィータちゃんはどれにするの? ご飯? お風呂? わたし?」
 じりじりとヴィータちゃんに詰め寄る。
 その間もヴィータちゃんは、真っ赤な顔のまま色々と早口で何かを言っている。
「ヴィータちゃん……」
「そ、その……なの――い、いや、ご飯にする!」
「うん♪ わかったよ」
 本当は迷わず真っ直ぐにわたしを食べたいって言ってくれたら嬉しかったんだけど、まぁヴィータちゃんの
可愛い所も見れたし、最後微妙にわたしって言おうとしてたし、いいかな?

 幸せな日常。
 その幸せな日常にちょっとした、スパイスをかけるだけで世界は変わる。
 偶にはこんな出迎え方もいいかなって思う。
 小さな小さなスパイス。
 それは幸せの魔法。

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