心配なんてものは、されるよりはする方がいいと思う。
 周りの人達には余計な気づかいをしてほしくないから。
 でも、なんでやろな。この人には私の心配をしてほしいって思うのは……
 彼女にも迷惑がかかっているのは分かってる。でも彼女に心配してもらっている時は、彼女の思考の
大半が私に向いているはずやから……こんな事思うなんて、ほんま自己嫌悪やわ。

 まぁ、始まります……


「な、なのは……ちゃん? これは一体どういう事やろか?」
 朝起きると、なのはちゃんが私の上に乗りかかっていた。
「はやてちゃんはどういう事だと思うの?」
「ど、どういうって……」
 なのはちゃんは楽しげな笑みを浮かべながら、私に聞き返す。
 それにしても、上に乗られている理由がいまいち分からん。
 まぁ、なのはちゃんが朝から欲情している可能性はあるかもしれんけど……今回は無いか。
 なにせ昨日さんざん発散したはずやからな。
「あかん。降参や」
 いくら思考を巡らせても何も分からへん。こういう時は潔く聞いた方が早い。
「はやてちゃんここ最近全然休んで無いでしょ」
「へ……?」
 確かにここ最近休んで無いかもしれんけど、それと今上に乗られてるのは関係あるんか?
「だからはやてちゃんには、今日一日休んでもらうの」
「………………」
 や、休む……? 今日一日休むやて……
「あ、あかん。まだ仕事がいっぱい残ってるのに休むやなんて」
 本来なら今この時間さえ勿体ないくらいだ。
「そんな事分かってるよ。でも今日はお休みなの!」
「なのはちゃん……」
 普段あまり見せないような顔で強く言い放つ。
「はやてちゃんが忙しいのは分かってるよ。でも偶にはちゃんとお休みしないと、はやてちゃんが倒れちゃうよ」
「そんな大丈―――」
 大丈夫と言おうとして、口元に指を当てられる。
「嘘。はやてちゃん随分疲れてるよね。見てすぐに分かるもん。はやてちゃんはすぐに無理をするから心配だよ」
 心配――その言葉を聞いただけで少し嬉しく思う自分は変なんやろな。
 きっと他の人達に言われてもこんな気持ちにはならんやろね。
 なのはちゃんやから嬉しい。なのはちゃんやから心配されたい。
 こんな気持ちなのはちゃんが知ったらどう思うやろか? あまりに自己中心的で失望するかもしれない。
 なのはちゃんは――
「わたしは、嬉しいかな」
「え……?」
「ううん、何でも無いよ。それより今日はお休みでいいよね?」
「で、でも私だけ休むなんて……」
 やっぱり気が引ける。六課の部隊長である私がそうそう休むなんて……
「大丈夫だよ。皆ちゃんとフォローしてくれるし、わたしも休むから寂しくもないよね」
 い、いや……そんな問題じゃ―――
「な、なのはちゃんも休みなんか?」
「うん、そうだよ♪ 皆には少し無理を言ってもらったけど……ね♪」
 悪戯っ子のような笑みを浮かべながら、ウインクをする。
「はは……っ。敵わんな」
「だから今日はずっと一緒……だよ」
「ホンマ、なのはちゃんには敵わんな」
 皆には悪いけど、その厚意ありがたく受け取っとくわ。
「じゃ、お昼頃までベッドでごろごろしようか?」
「そうやね」
 折角の休み。色々な事をするのもいいかもしれないけど、まだ始まったばかりだ。
 そうそう急ぐ事も無いな。
「……なのはちゃん。ありがとな」
「どういたしましてだよ」
 彼女の笑みを見ながらそのまま深い眠りへとつく。

「ふふ……はやてちゃんほんとに疲れてるんだね」
 寝ているはやての頭を撫でながら優しい笑みを浮かべる。
「今日はゆっくりしようね……」
 暫くはやての頭を撫でたなのはは、はやての隣で眠りにつく。
 はやての寝顔を見ながら…… 

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