七夕……なのはママが住んでいた世界の行事。
 年に一度だけ、彦星と織姫様が会える日。
 この日は、笹の葉にお願い事を書いた短冊を吊るすらしい。
 そして、そのお願い事はいつか――

 始まります。


「ヴィヴィオちゃんとお願い事書いた?」
「うん。ちゃんと書いたよー」
「そっか♪ じゃ、早く笹の葉に吊るそうか」
「うん」
 なのはママに見られないように素早く短冊を吊るす。
 やっぱり、こういうのは見られると恥ずかしいね。
「ねぇ、ヴィヴィオはどんな事を短冊に書いたの?」
「えっ!? ひ、秘密だよ」
 今しがた見られると恥ずかしいって言ったばかりなのに、見せられないよ。
「秘密かぁーそれは残念……?」
 なのはママは少しだけ残念そうな顔を浮かべる。
「う……っ。な、なのはママは何て書いたの?」
 そ、その表情はズルイ。
 そんな表情をされたら、ついうっかり喋ってしまいそうになる。
「わたし? わたしはね……ヴィヴィオといつまでも居られますように。そして、
皆が笑顔でいられますようにって……お願いしたんだよ」
「なのはママ……」
「あまり欲張ってお願い事を書くのはよくないけど、でも……にゃははっ。わたし
ってば我儘さんだね」
 そんな事無い! そんなのは我儘って言わないよ!
「大丈夫だよ! そのお願い事は全部叶うよ。だって……」
 私は先ほど吊るした短冊を取って、なのはママに見せる。
「私のお願いは――」

“なのはママとずっと、ずっと一緒に居られますように”
「だから、なのはママの一つのお願いは私の願でもあるんだから、大丈夫だよ」
「ヴィヴィオ……」
 それにもし、叶わないとしても、私が自分の力で叶えさせてみせる。
 大好きな、なのはママのためなら何だって出来るんだから。
「だから大丈夫だよ。なのはママ」

 年に一度の織姫と彦星の奇跡。
 だったら、私もなのはママのために奇跡を起こしてみよう。
 出来るかどうかじゃ無い。想いを叶えたいという気持ちがあれば絶対に叶うんだから。
 だから私は願う。いつまでも……

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