仕事が終わり、一人家に帰宅をする。
 誰もいない部屋。暗がりの空間。私を迎え入れてくれる人はいなくて……
 一人でいる時間がとても寂しく感じる。あの人の会いたい。
 愛しの彼女の笑顔を見たい。話しをしたい。温もりを感じたい。
 だけどそれは今は出来なくて――時間が経ち、日付が変わり、日が昇らないと出来ない。
 あぁ……なのはさん。早くあなたに会いたいです……

 始まります。


「ただいま……」
 誰もいない部屋。その部屋に一人寂しく帰る。迎え入れてくれる人は誰もいなくて、
孤独感に心がキュッと締め付けられる。
 なのはさん。あなたに会いたいのに、あなたは此処にはいなくて――
「おかえり。ティアナ」
「……え? なのはさん……?」
「おかえりティアナ。疲れたでしょ?」
「ぁ……は、はい」
 え? な、何で!? どうして、なのはさんがここにいるの? 本来はこの場所には
いないはずなのに……それなのに、どうして?
 予想外の出来事に軽いパニックを起こす。そんな私を落ち着かせるために、なのはさんは――
「にゃはは♪ 驚かせてごめんねティアナ」
 悪戯の成功した子供のような笑顔。そんな笑顔を見せながら、私を優しく抱き締めてくれた。
「な、なの……はさん……」
「ほんとは、こんな急に来るつもりはなかったんだけどね……でも、ちょっと寂しく
なっちゃった♪」
 てへっと舌を出してそんなことを言うなのはさん。
 あぁ、そんな事で私が怒るはずはありませんよ。だって、私も寂しくて……あなたに
会いたくて、でもそれでも会えないと思っていたのに。
 それなのに、こうして会うことが出来た。感謝すれど怒るなんてことはありませんよ。

 なのはさんの予想外の訪問。その訪問から数十分後――
「ふふ♪ やっぱりティアナの側は落ち着くね」
「は、はぁ……」
 私の肩にコテンと頭を傾けているなのはさん。
 はぁ……なのはさん。あなたは落ち着いているかもしれませんけど、私は全然落ち着きませんよ。
 あなたが私に触れてくれている。側にいてくれている。
 そんな状態で落ち着いてなんかいられませんよ。緊張で心臓の鼓動は早くなるし、頭は
真っ白になって思考が全然定まらない。
 さっきからずっとそんな調子なんです。それなのに、それなのにあなたは――
「ティアナって凄くいい匂いがするよね」
「そ、そうですか……?」
「うん。凄くドキドキするような匂いがする」
「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?」
 クンクンと私の首元の匂いを嗅ぐなのはさん。ああぁもう! どうしてあなたはそんな
ことを平気で出来るんですか!
「な、なのはさん!」
「ん? どうしたの?」
「あ、あのですね――――んっ!?」
「んっ、ちゅ……んぁ」
「な、なな、な――っ!?」
 き、きき、キス!? ど、どど、どうしてこのタイミングでキスなんですか!?
「なのはさん……その――」
「にゃは♪ キスしちゃった♪」
 私の戸惑いを無視して、再び悪戯が成功した子供のような笑みを浮かべる。
「ねぇティアナ。大好きだよ……」
 あ、あなたって人は――あなたにそんなことを言われたら、もう何も言えなくなって
しまうじゃないですか。ズルイ。ズルイですよ……
「ティアナは? ティアナはわたしのこと好き?」
「…………大好きですよ」
「にゃはは、ありがと♪」
 抱きつきキスをしてくるなのはさん。ほんと、この人には敵わないなぁ。
 だけど――あなたのおかげで寂しさは一瞬にして吹き飛びました。
 それについては一応、感謝をしておきます。

 なのはさん。今日はほんとありがとうございます。

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