ゴロゴロゴロッ!
「ひゃっ!?」
 か、カミナリ……今、カミナリが鳴ったよね?
 うぅ……カミナリ苦手なのに。何で、こんな時に一人なんだろ?
 ゴロゴロッ!
「きゃっ!?」
 だ、誰か助けてよ……わたしをこの恐怖から助けてよ。

 始まります。


「うぅ……っ!」
 まだカミナリが鳴ってる。耳を塞いでも聞こえてくるくらい近くで鳴っている。
 恐い。ただひたすら恐いよ……近くに誰か……フェイトちゃんがいてくれたら耐えられるのに。
 今のわたしはどうしようもなく一人で――
 助けを呼びたくても呼ぶことが出来ない。
 フェイトちゃんに助けを求めたら、きっと飛んで来てくれる。だけど呼ぶ事が出来ない。
 フェイトちゃんは優しいから、こんな情けない用事でも絶対に来てくれるだろう。
 でも、それはフェイトちゃんに無理をさせる事になる。だから助けを呼べない。
 一人でこの恐怖に耐え続けるしかないの。
 カミナリが鳴り止むまで、一人でずっと――

 ゴロゴロゴロゴロッ!

「〜〜〜〜〜〜〜っ!」
 恐い、恐い、恐い、恐い。
 助けて。助けて。助けて。誰か助けて!
「なのはっ!」
「――フェイトちゃ……」
 ど、どうしてフェイトちゃんがここに? 呼んでもないし、来る予定も無かったはずなのに。
「ふぇ、フェイトちゃん……どうして?」
 泣きそうな気持ちを抑えつけて疑問をぶつける。
「なのはに……なのはに呼ばれたような気がしたんだ」
「――――っ」
 わたしの気持ちがフェイトちゃんに届いた……の?
「来てよかった。なのはのピンチに駆けつける事が出来て本当によかった」
「……っ」
 だ、ダメ。泣いたらダメなのに。
 涙を止める事が出来ない。
「ふぇ、フェイトちゃ〜ん」
 我慢出来ずにフェイトちゃんに抱きつく。
「な、なのは?」
「恐かった。恐かったの」
「よしよし。頑張ったね、なのは」
 フェイトちゃんが頭を撫でてくれる。
 それだけで気持ちが楽になるのが分かる。フェイトちゃんはほんとに凄いな。
 わたしの気持ちを一気に楽にしてくれる。  

「……なのは。落ち着いた?」
「う、うん……」
 どれくらいか分からないけど、わたしが落ち着くまでフェイトちゃんはずっとわたしを撫でてくれていた。
 気が付くと、外も晴れてカミナリも鳴らなくなっていた。
「……ごめんね。フェイトちゃん。迷惑をかけて」
 素直にフェイトちゃんに謝る。
「迷惑だなんて思ってないよ。なのはの役に立てたんだから、全然そんな事思ってない」
 そう言って笑顔を見せてくれるフェイトちゃん。  

 きっとフェイトちゃんみたいな人の事を王子様っていうんだろうな。
 わたしのピンチに駆けつけてくれる王子様。
 キラキラと輝いて、わたしを助けてくれるわたしの王子様。
 ありがとうフェイトちゃん。

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