お伽話しを信じているわけじゃなかった。
 運命の出会い。そんな出会いは物語の中だけの話しだって思っていたのに。
 わたしは出会ってしまった。
 運命の……とても大切で大事なあの子に――

 始まります。


 彼女を見た瞬間――あぁ、とても綺麗な子だなって思ったの。
 細くて綺麗で可愛らしい女の子。
 そんな風な印象を持ったけど……だけど、とても悲しそうな瞳をしてたの。
 悲しくて、今にも泣きそうな表情。
 別に悲しみをとってあげたいとか、辛さを共有したいとかそんな気持ちはなかったの。
 ただ、あの子の笑った顔が見てみたい。そんな風に思っただけなの。
 そして現実、彼女の笑った顔はとても可愛くて……きっとその瞬間にはもう、彼女に
恋をしていたんだと思う。

「それが、わたしがフェイトちゃんに初めて会ってからの気持ちだよ」
 フェイトちゃんに伝えるあの時のわたしの気持ち。
 何でこんな流れになったのか分からないけど、こういうのも悪くはないかな。
 だって――
「あうぅ……」
 顔を真っ赤にして照れている可愛いフェイトちゃんが見れたんだもん。
 それだけで十分だと思うの。昔の想いを語るのはちょっとだけ恥ずかしいけど、
それでもお釣りがくるくらい十分なものが見れたから。
「ほんとフェイトちゃんは、あの頃から変わらず可愛いよね」
「そ、そんなこと……」
 更に顔が赤くなっていくフェイトちゃん。あぁ、もうどうしてフェイトちゃんは
こんなのにも可愛いんだろうね。
「フェイトちゃん♪」
「わわっ!?」
 あまりの可愛さについフェイトちゃんを抱き締めてしまった。
「な、なのは……苦しいよ」
 だってだって、フェイトちゃんが可愛いから悪いんだよ!
 ちょっと昔の想いを伝えただけなのに、こんなになっちゃうんだから。
「フェイトちゃん……大好きだよ」
 改めて自分の想いを告げる。
 初めて出会ったあの時から変わらぬわたしの想い。
 フェイトちゃんが好きで、大好きで……誰にも渡したくないくらい好き。
 そんなわたしの正直な気持ちを伝える。

「……うん。私もなのはのこと大好きだよ」
「ありがとフェイトちゃん」
 お伽話しなんて信じてるわけじゃないし、これは決められた物語でもない。
 先の未来なんて分からなし、本当に何も分からない。
 だけど……だけど――

 わたしがフェイトちゃんを好きって気持ちだけは……それだけは変わらず在り続けたい。
 そして信じ続けたいの。
 まるでお伽話しの女の子のように……

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