「そろそろ夏だね〜」
「そうね」
「ほんと、もう夏が近づいてきてるね。夏がっ!」
「だから、それは分かってるってば……」
「夏だよ! 夏っ!」
 ずずいっと顔を――いや、身体全体で私に近づいてくる莉緒。
 その、無駄にテンションが高いのは可愛いからいいんだけど、さっきから『夏』を全面に押し出しすぎじゃない?
 そこまで『夏』を全面に押し出して何が言いたいのかしらね。
「ねぇ、夏と言えば何だと思う? ねぇ、何だと思う?」
 …………ちょっとうるさい。
 ニヤニヤとした顔で私に答えを聞いてきている。うん、軽くウザイよね。まぁ、可愛いんだけど。
「夏だよ、夏」
「そうね……」
 夏と言えば色々なモノがあると思う。思い浮かべるのは年齢で変わってきたりもするけど、一番は夏休みなんだろうね。
 休み――そして遊び続ける。後は、プールとか海に行ったり、夏祭りがあったりと色々とあると思う。
「あれがあるよね? アレが!」
「……プール?」
「うん。それもいいけど、わたしとしては違う答えが欲しいな!」
「じゃ、じゃあ……夏祭り」
 自分で思い浮かべたモノを順に言っていく。
「そう! それだよ、ソレ!」
「うわ……っ!?」
 私の答えに更にテンションを上げていく莉緒。
 欲しい答えを言うことが出来たみたいだけど、夏祭りにそこまで思い入れなんてあったかしら?
「夏祭りと言えば浴衣だよね?」
「え、ええ」
「浴衣と言えば半脱ぎ状態でのエッチだよね?」
「ん……?」
 ちょっと待って。何かおかしい。方向がおかしくなってきてる。
「莉緒、貴女何を言っているの?」
「だから浴衣エッチだよ!」
「だから何を言っているのよ?」
 どうして夏祭り=浴衣=浴衣の半脱ぎエッチなのよ。明らかにおかしいし、間違っているわ。
「夏が待ち遠しいよね!? てか、もう夏とかどうでもいいから浴衣エッチしたいよね!?」
「近い。近いわよ莉緒」
「特別に浴衣を用意してるから早速エッチしよ!」
「どうしてエッチをする流れになっているの? いえ、そもそも浴衣である必要はあるの?」
 エッチをするのであれば、今のままで十分じゃない。
 最終的には裸になってしまうのだから、わざわざ浴衣を着る必要はないと思うわ。
「分かってない! 全然分かってないよ! 浴衣であることに意味があるんだよ!」
「……あ、うん」
「今すぐわたしと浴衣エッチしたくなるように――理解出来るように長々と説明してあげようか?」
「……遠慮するわ」
 どれくらいの長さになるかは分からないけど、あっさりと終わる内容じゃないと思う。
 長々と浴衣エッチの重要性を語られるなんて悪夢以外の何物でもないわよ。
「そう? じゃあ浴衣エッチする?」
「だから――」
「え、何? わたしと浴衣エッチするの?」
「…………」
 あぁもう、莉緒はどう足掻いても『浴衣エッチする?』としか言うつもりがないみたいね。
 つまり、このまま浴衣エッチをするまで永遠に続くわけで……逃げ道はないのかしら?
「はぁ、はっ、ハァ……ッ」
「ちょ――息が荒い。凄く息が荒いわよ」
 興奮しきってるし、目も血走っている。
 もう既に私とエッチを――浴衣エッチをする気満々だ。
 頭の中ではどう犯そうか考えているんだろうなぁ。もう夏が近づいて暑くなってきてるのに。
「……好きにしなさい」
「うんっ♪」
 色々と思うことはあるけど、諦めましょうか。私自身、莉緒とエッチをするのは嫌じゃないしね。
「夏を先取りして、いただきますっ♪」
「……はぁ」
 満面の笑みを浮かべている莉緒に浴衣を着せられ、そして半分脱がされてエッチをする。
 夏……夏が近づいてくる。暑い夏が。
 そして浴衣を着てのエッチの回数が増える季節が……
 浴衣エッチだけで済めばいい方なのかな? そのうち水着とかでもしそうだけど。
 まぁ、どうでもいいわね。今は莉緒から与えられる快感に身を委ねるとしましょうか。
 指から、口から、舌から、身体から……莉緒の全てから与えられる快感にね。

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