「好きっ! 大好きだよっ!」
「そう。私は嫌い。凄く大嫌いだよっ♪」
「ふぇ……っ!? き、嫌いなの? 私のこと嫌いなの!?」
 嘘……嘘だよね? 嫌いとか嘘だよね? 嘘だって言ってよ! ねぇ!
「好きだよ。だ〜い好きっ♪」
「ほんと!? 私も大好き!」
「そっか。私は大嫌いだよ♪」
「んなっ!? ま、また言った! また嫌いって言った!」
 どうして!? 何でそんなこと言うの?
 好きって言ってくれたのに、何ですぐに嫌いって言うの?
「どっちなの? ありすは私のこと、どう思ってるの? 好きなの? 嫌いなの?」
「優佳はどっち?」
「私は勿論、大好きだよ!」
「じゃあ、私は大嫌い」
「もーっ!」
 何なの!? 私が好きって言ったら嫌いって。
 じゃあ、って何!? 凄く適当に決めてるみたいじゃない。
「嫌い! ありすのことなんて大嫌いだもん!」
 ぷいっ、と顔を背ける。ありすのことなんて嫌いだもん。
 凄く好きだけど大嫌いだもん。
「そっか……残念だよ。私は優佳のこと大好きなんだけどね」
「――っ!? い、今好きって……」
「言ってないよ? 嫌いって言ったよ♪」
 うぅ……ありすが満面の笑みを浮かべながら嫌いって言ってくる。
 本当に意味が分からない。頭の中がパニックになってきた。
「ぐす……ひぐっ、うぐ……っ」
 泣きたいとか思ってないのに勝手に涙が出てきてしまう。
 ポロポロと涙が頬を伝っていってる。
「ありすのばかぁ〜」
「あらら。ごめんね? 優佳」
「何よ〜」
「意地悪してごめんね。好きよ。優佳のこと、誰よりも愛してるわ」
「ありす――っ! わ、私も好き……」
「私は嫌いっ♪」
「な――っ!?」
「あははっ♪ 冗談よ冗談。本当に優佳のことは大好きよ。嘘でも何でもなく本心から好きよ」
 私の大好きな顔でそんなことを言ってくるありす。
「でも信用出来ないもん。私を苛めてばっかりのありすの言葉は信用出来ないもん」
 ここで私が好きだって言ったらまた意地悪するんでしょ?
 仮に嘘だとしても嫌いって言われるのは凄く辛いことなんだからね。
 ありすは、そこら辺のことをもう少し理解する必要があると思うの。
「あはは……どうしたら信用してくれるのかしら?」
「自分で考えればいいじゃん」
 少し子供っぽいけどいいよね? 私だってありすに意地悪するもん。
 意地悪をされて私の気持ちを理解したらいいんだよ。
「……はぁ、しょうがないな優佳は」
「ありすには言われたくない……」
「あはっ♪ そこまで言うのなら少しばかり実力行使に出ようかな?」
「実力行使……?」
 一体、何をするつも――――っ!?
「んっ、んぅ……ちゅっ、ちゅぷ、れる……ちゅぶぶぶ」
「むっ、むぅぅぅっ!?」
「ちゅぱ、ちゅぶ、れる、れろ……ちゅぱ」
 キスをされた。無理やりキスをされた。しかも口の中に舌をねじ込んできてる。
「ぷはぁっ。これで信用してくれたかしら?」
「ふぁ……っ」
「あらら。呆けちゃってるわね♪」
 ぼー、としてしまうのは仕方がないと思う。
 だって、キスをされて口の中を舌で蹂躙されていったんだよ? 誰だってこんな風になっちゃうって。
「私は優佳のこと愛してるよ。それだけは本当のことだからね」
「じゃあ……じゃあなんでさっき、あんなこと言ったの?」
「それは、優佳に意地悪をするのが楽しいからよっ♪」
「ひ、酷いっ!?」
「ほら、キスしてあげるから許して」
「そんなことで騙されな――んむぅっ!?」
 文句を言おうとした瞬間、キスをされて言葉を遮られてしまう。
 そしてさっきと同じように口の中に舌をねじ込んできて蹂躙してきている。
 口の中でありすの舌が動き回って段々と何も考えられなくなっていって……
「…………」
「完全に放心状態になってるわね。ほんと優佳は可愛いんだからっ♪」

 その後の記憶? そんなモノはないよ。
 気が付いたらベッドで寝てて隣でありすも寝ていたってことだけ。
 あの後何があったのか全然教えてくれないし、本当に何があったんだろ。
 いや、本当に……
「あはっ♪」

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