クリスマス――それは、子供達に夢を与える。そんな素敵な夢の配達人のお話。
 サンタさんの正体は分かっているし、もうそんな夢を見る程子供じゃないけど……
 それでも何か一つ欲しいモノが貰える。
 そんな状況なら、わたしはきっとアレを願うのだろう。
 大切な人との時間を……

 始まります。


 ぴぴぴ、とメールの着信を知らせる電子音が鳴り響く。
 メールの内容を確認すると、簡潔な言葉で欲しいモノを聞かれた。
『クリスマスプレゼント、なのはは何が欲しい?』
 大好きで大切な人――フェイトちゃんから、クリスマスプレゼントに何が欲しいかを聞かれた。
 物欲がないわけじゃないけど、パッといきなり思いつくものでもない。
『なんでもいいよ』そんな言葉を打ち返そうと思って指を止める。
「せっかくのクリスマスなんだよね……」
 そう。もうすぐクリスマスだ。
 サンタさんという人が子供の欲しいモノを配って行く日。
 それと同時に恋人同士の日でもある――聖夜って奴だよね。
 フェイトちゃんのセンスを疑っているわけじゃないし、本当に何でもいいんだけどコレを願おう。
 当たり前過ぎて、忘れがちになってしまうけど。
 コレがないと楽しい日々を過ごすことが出来ない。日々に彩りを付けることが出来ない。
 一度止めた指を再び動かして、欲しいモノを打っていく。
『あなたと一緒の時間が欲しいです』と。
 誰にも邪魔をされずに、二人っきりで過ごすことが出来る時間。
 特に何かをするわけじゃないけど、フェイトちゃんと二人っきりでいるだけで心が満たされていく。
 もうフェイトちゃん無しの生活は考えられない。
 依存……してるのかな?
 たぶんだけど、フェイトちゃんがわたしの前から居なくなったら、きっとわたしは壊れてしまう。
 大袈裟なことを言っているかもしれない。でも、きっとわたしは壊れてしまう。
 そんな風になってしまう程、わたしはフェイトちゃんのことが好きだし、大切に想っている。
 ほんと、どうしてこうなっちゃったか分からないけど、なってしまったものは仕方がないよね。
 うん……だから、わたしはフェイトちゃんにお願いをしよう。
“ずっと、わたしと一緒に居て欲しい。わたしと同じ時間を過ごして欲しい”と。
 ポチポチと言葉を打っていって、そして送信をする。
 返事は速かった。
 たぶんわたしの言葉の真意を分からず悩むのかな、って思っていたけど速い返信だった。
 少しだけ緊張しながらメールを開く。
 引かれたりしないかな? 断られたりないかな? そんなことばかり考えてしまう。

 そんなことを考えながら見たメールの内容は――
『私となのはは、ずっと一緒だよ』
 たった一言の返事。
 短いけど、だけど凄く温かい言葉。
 あぁ……この言葉だけで、じわりと涙が浮かんでしまう。
 嬉しくて泣きそうになっている。ただの短い文字なのに、それでも嬉しいと思ってしまう。
 今のわたしはたぶん、凄く変な顔をしてると思う。
 涙を浮かべながら笑みを浮かべている。きっとそんな顔をしてると思うの。
「ありがとうフェイトちゃん」
 一人小さく呟く。この言葉――そしてその続きは、フェイトちゃんが帰ってきた時に伝えよう。
 わたしのありったけの想いと共に……

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