初めて君と出会ってから一体どれほどの時間が過ぎていったのだろうか?
 幼かった彼女は女性へと成長し綺麗になった。
 幼さは、まだ少し残っているけど、それでも君の美しさは際立っている。
 そんな君に私は、今なお恋している。

 始まります。


「――でね。これが中学生の時のなのはで――」
「わぁーなのはママ可愛いー」
「そうだよね。でね、これがプールで水を怖がってるなのは」
「泣きそうな顔も可愛いー♪」
「そうだよね。ヴィヴィオもそう思うよね?」
「うん、思うー」
 さすがヴィヴィオ。私となのはの子供なだけあるよ。なのはのこの可愛さを共有出来る日がくるとは。
 はやても共有出来るんだけど、はやての場合は色々と危険だから、こういうのは見せないようにしている。
 部下達は大丈夫だろうけど、もし見せたりしたらなのはが怒るだろうからパス。
 アリサやすずかも呆れるだけで、共有は出来ないだろう。
 うん。やっぱりなのはの可愛さを共有出来るのは、ヴィヴィオだけだよ。
 なのはには内緒で、ヴィヴィオになのはコレクションを見せている。
 勿論なのはは、こんな映像や写真がある事なんて知らない。
 私がバルディッシュに頼んで、こっそり撮影した物ばかりだから。
 だからもし、これがなのはに見つかってしまったら大変な事になるだろう。
「へー何が大変な事になるの?」
「ん? それはね……」
 い、今の声って――
 完全に嫌な予感がするが、振り向かないわけにもいかず、恐る恐る声の方向に振り向く。
「フェイトちゃん……一体何のお話をしているのかな?」
「な、なのは――っ!?」
 やっぱり、というか何というか声の主は我が愛しの彼女であり、
 その彼女は呆れているというか、怒っているような表情をしている。
「あ、あの……これは――」
 何とか言い訳をしないと、私の立場が危うくなる。
「フェイトちゃんってば、わたしのこういう恥ずかしい物を見て楽しんでいたんだ?」
 なのはが、冷やかな視線を送る。
「ち、違うんだ。なのは――」
 確かに楽しんではいたけど、少し違う楽しみ方というか……その……
「しかも、ヴィヴィオにまで見せてるし」
 なのはの表情がどんどん怖くなる。
 いや、実際は笑っているような表情をしてるんだけど、目が全然笑ってないっていうか、怒気が充満しているというか、
ああもうっ! とりあえず私がピンチな事に変わりは無い。
 でも大丈夫。私ならこの状況を抜け出せる。
 だって、君の事を愛しているから!
「これはヴィヴィオにも、なのはの可愛さを理解して欲しかっただけなんだよ。それ以外に疚しい気持ちは一切ないよ」
「…………」
「それに、なのはなら私の事理解出来るでしょ? 私はただ、どうしようもなく君の事が好きなだけなんだから」
 だから大丈夫。なのはは、きっと許してくれる。
「む〜そういう言い方は、ズルイと思う……」
「ご、ごめん……」
「でもいいよ。フェイトちゃんだもんね。仕方ないか……」
 少しバカにされているような気がするけど、何とか許してもらえたようだ。
 そうだよね。私達の愛の前にはこんな事、些細な出来事に過ぎないよね。
 なのはもそう思ってくれている。そう思ったのに――
「でも、その記録は消させてもらうからね」
 なのはは、眩しいくらいの笑顔で恐ろしい事を言う。
「えぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇっ!?」
「当たり前です。そんな恥ずかしい物は消させてもらいますからね」
 そ、そんな……これを消されたら私は……
「い・い・ね?」
「……はい」
 なのはの勢いに負けてしまい。泣く泣く記録を消す。
 うぅ……さよなら。私の思い出達……
「も〜そんなに寂しそうな顔しないでよ。思いでならこれから沢山作っていけばいいでしょ」
「な、なの――」
 そ、そうだよね。私達の人生はまだまだ先があるんだから、これからもっとたくさん恥ずかしい思い出を作ればいいんだ。
 確かに記録を消されてしまったのは悲しいけど、そう思うと少し希望の光が見えてきたような気がするよ。
「うんっ! なのは、これから沢山の思い出(恥ずかしい)作ろうね♪」
「そうだね。沢山思い出作ろうね」

 ほんの少し意思の疎通が出来ていない気がするが、それでも楽しそうな顔をしているので、ヴィヴィオはあえて気にしない
方向でいくことにした。

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