子供は親に似る。
 そういう言葉があるけど、本当にそうなんだなって思いました。
 そんな出来事があったんです。

 始まります。


 アインハルトさんと一緒に歩く道。
 二人っきりで歩く時間。
 特に目的もなくぶらぶらと歩く。
 それだけで幸せを感じる。
 それだけで心が満たされる。
 そんな幸せな時間を過ごしていたら、ふいに雨が降ってきた。
 ただ普通に雨が降っただけなら何の問題もなかったんだけど、私は気がついてはいけない事に
気が付いてしまったんです。  

 雨でアインハルトさんの服が透けている。
 アインハルトさんの柔らかさそうな身体に、服がピッタリと張り付いて透けている。
 考えたくもないのに、エッチな事ばかり考えてしまう。
 アインハルトさんをこんな目で見るのはダメなのに。
 こんな事が知られたら、アインハルトさんに嫌われてしまうのに。
 アインハルトさんをエッチな目でみてしまう。
 あうぅ……どうしてこんな事に気づいてしまったんだろ。
 こんな事を考えるなんて、まるでフェイトママみたいだよ。
 さすがに、あそこまで酷いとは思わないけど、でも――

 ああ、やっぱり親子なんだね。
 血は繋がってないけど、それでも似てくるんだね。
 私自身としては、なのはママの真っすぐな所を受け継いできたつもりだったんだけど、
 どうやらフェイトママの変な所まで受け継いでいたみたいです。
 うぅ……どうせならフェイトママの真面目な所とかを受け継ぎたかったよ。
 これも全て、雨が悪いんだよね。
 そして、アインハルトさんがとても魅力的なのが悪いんだよね。
 私のこの気持ちは健全なんだよね。
 そうだよね?
 アインハルトさん――

「どうしました? ヴィヴィオさん」
「い、いえ、なんでもないです。それよりも早く移動して着替えた方がいいですね」
 健全な気持ちがイヤらしい気持ちに変わる前に。
「そうですね」
「では急ぎましょう」
 だから出来るだけ早めの移動を促す。
「はい」
「――――あ」
 アインハルトさんが私の手を掴む。
 そして、スタスタと私の前を進んで行く。
 アインハルトさんの温かい手。
 幸せな瞬間。
 あぁ……雨が降った事を一瞬だけ恨んだけど、今は感謝してるかも。  

 こんなにも素敵な想いをする事が出来たから。

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