「すぅ……すぅ……」
 スヤスヤと気持ちよさそうに眠るなのは。普段の凛々しい表情とは違って、とても穏やか
で可愛らしい寝顔だ。
「んん、んぅ……」
 天使のような寝顔。本当にそう表現しても違和感のないほどの可愛らしい寝顔。
 この可愛らしい寝顔を一人占め出来ている私は、本当に幸せ者だ。

 始まります。


「ふふ……」
 寝ているなのはの頬を軽く突いてみる。
「むにゃ……んにゃ……」
 ぷにぷにとした柔らかい感触。なんというか、この柔らかさは癖になりそうだ。
「んぅ……ぁ……っ」
「――っ!?」
「……すぅ……」
 驚いた。危うく、なのはが起きてしまったのかと思った。
 いくら優しいなのはでも、寝ている時に悪戯をするような奴、呆れないはずがない。
 私はまだ、なのはに呆れられたくはないからな。
 なのはの持っているイメージ。それを壊したくはないんだ。
「ふふ……それにしても、本当になのはは可愛いな」
 起きている時も可愛いが、寝ていて無防備な姿はまた違う可愛さがある。
 何故、こんなにも可愛いのだろうか? それは、なのはがなのはだからだろう。
「……私は何を言っているのだろうか?」
 少々なのはの寝顔にあてられたようだ。外の空気でも吸って気持ちを切り替えるとするか。
 だが、その前に――

「……んっ」
 ズルイのは理解しているが、眠っているなのはの頬にキスをする。
 起きている時にすればいい。そう思うのだが、そうそう上手くは……な。
 だから、こうして寝ている時にキスをする。
 今はそれだけで満足しよう。

「……もう。シグナムさんったら……キスをするのなら、頬にじゃなくて唇にして欲しかったな。
 しかもわたしが寝ている時にキスをするだなんて……
 出来ることなら起きている時にして欲しいです……まぁ、そういう紳士的なところも
シグナムさんの素敵なところなんだけど。
 でも、ちょっとは思うところがあるよね……
 シグナムさんのヘタレ……」

 シグナムが出て行った部屋の中で、一人途中から起きていたなのはは、ヘタレていた
シグナムに一人愚痴る。
 キスをされた頬を嬉しそうに撫でながら。

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