夏。うだる暑さの夏。正直言って、暑いのは嫌いだ。
 ムシムシとしてて体力と精神力を奪っていくから。だから私は夏があまり好きではない。
 だけど、それは暑さという意味だけである。
 夏には夏のよさがあることを私は知っている。
 夏と言えば、夏休みにプールに海に夏祭り。遊ぶという観点で見れば夏は素敵な日々でもある。
 特にプールというのは最高だと思う。私の愛しのなのはの水着姿を見ることが出来るのだから。

 始まります。


「う、うぅ……こんなのってないよ。あんまりだよ……」
「フェイトちゃん。いくらなんでも落ち込みすぎだと思うよ?」
「だってだって! 今日はなのはとプールに行く予定だったんだよ!? それなのに――」
 あぁ、それなのに……今、私達はプールにいない。お家の中で静かに待機をしている。
「雨だから仕方ないよ」
「だけどぉ〜」
 雨とか関係ないよ。私的には、なのはの水着姿を見ることが出来たらそれでよかったのに。
 それにプールに入ったら結局濡れちゃうんだから、いいと思うんだ。
「なのはもそう思わない? どうせ濡れるんだから……ね?」
「ダメだよ。それでフェイトちゃんが風邪を引いたらどうするの?」
「なのはの水着姿を見れたら本望です!」
 胸を張って言える。むしろ風邪を引いて見れるのならばいくらでも風邪を引こう。
「フェイトちゃん。少し落ち着いて……」
「私はいつだって落ち着いてるよ」
 冷静沈着。それが私なんだから。
 反論? 異論? 文句などなど、今は一切受け付けておりません。私は冷静沈着が売りなのです。
「なのはの水着姿ぁ〜」
 グッタリとテーブルにへたりこむ。
「はぁ……そんなにもわたしの水着姿を見たいの?」
「見たいよ。物凄く見たいよ。見たくないかって言われたら、迷わず見たいって言うくらい見たいよ」
「にゃはは……とにかく見たいって言うのは理解出来たかな」
 だって、なのはの水着姿なんだよ? 愛しのなのはの!
 日々、可愛く綺麗になっていくなのは。そんななのはの水着姿を見れたらどれだけ幸せだろうか。
 暫くオヤツを抜きにしてもいいくらいの価値がある。
「もう……フェイトちゃんがそこまで言うのなら、特別に見せてあげる」
「え……?」
「一応、水着は持ってきてるから。だからお家の中だけど見せるくらいは出来るもんね♪」
「な、なのは〜」
 女神。女神がいます。何という慈悲深き女神なのだろうか。
 私のために水着姿を見せてくれるだなんて。
 しかもお家の中で、だ。これはもしかしたら、水着姿のなのはを襲ってもいいということなのだろうか?
 いや、わざわざ聞く必要はないよね。
 絶対になのはは私を誘っている。そのために水着を着てくれるんだ。だったら、それに応えないといけないよね。
 うん。それが礼儀だって思うな。
「それじゃあ着替えてくるからね」
「え? ここで着替えてくれないの?」
「そ、それはさすがに恥ずかしいかなって」
「私は恥ずかしくないよ?」
 むしろ興奮するんですけど。
「わたしが恥ずかしいんだってばぁ〜」
 パタパタと隣の部屋へと行ってしまうなのは。
「ち……っ」
 せっかくカメラに収めながら観賞しようと思ってたのに……
 まぁ、いいや。それはこの後でも問題ないよね。美味しいモノは後でジックリといただかないとね。
「ぐふふ……」
「フェイトちゃん。その笑いはちょっと気持ち悪いかも」
「何を言って――――っ!?」
 そこは桃源郷でした。
 私が待ち望んだ光景。なのはの水着姿。薄い布に隠れている身体。もじもじと身体を隠しているなのは。
 それら全てが私の思考を焼き尽くす。
「ど、どう……かな?」
「……いただきます」
「ふぇ……? あ、あの――」
「美味しく食べてあげるからね♪」
「ふぇ、フェイトちゃん!? 何でそんな笑顔でわたしに近づいてくるの!? その手は何なの!?」
「なのはの身体に教えてあげる♪」

「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
 嫌がる――ううん、私のために嫌がる演技をしてくれてるなのはを美味しくいただく。
 あぁ……夏の暑さは嫌いだけど、夏という季節は嫌いにはなれない。
 こんな美味しい思いが出来るのだから。

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