なのはママに助けられてからもう何年が経ったのだろうか?
 あの時は抱かなかった感情が今の私を支配していく。
 ダメなのに。ヴィヴィオはなのはママの娘なのに。
 こんな感情を抱くなんて…………

 始まります………………


「なのはママ……」
 誰も居ない部屋で一人大切な人の名前を呼ぶ。
「……なのはママ」
 あの時、怪我をしてまで私を助けてくれた人。
「なのは……ママ」
 いつもカッコよくて、凛々しくて美しい人。
「……な、なのは……」
 ずっと彼女の娘でいたいと思っていた。
「……なのは」
 もし、この気持ちをあなたに打ち明けたら、あなたはどう思いますか?
「なのは……」
 あなたの事が母親としてではなくて、一人の女性として好きなんです。
「なのは」
 何度彼女の名前を呼んでも心は満たされなくて、
「なのはっ!」
 今すぐにでもあなたに触れたい。あなたを全身で感じたい。
 でも、そんな想いは叶う事は無く……
 私は、あなたの名前をひたすら呟く。
「なのは……」
「な〜に? ヴィヴィオ」
「な、なのはママ!?」
 後ろを振り向くと、そこにはなのはママが立っていて……
「あれ? もうなのはって呼んでくれないの?」
 少し悪戯っぽく笑みを浮かべて何て事を――って、もしかして今までの全部聞かれてた?
 その事を意識すると急に恥ずかしくなる。
「ヴィヴィオはもう、なのはって呼んでくれないのかな?」
「あ、あう………」
 そ、それは私だってなのはって呼びたいけど、でも――
「わたしは、なのはって呼んでほしいかな」
「え……?」
「わたしはヴィヴィオの事好きだからそう呼んでほしいんだけどな」
 衝撃の告白。
 ま、まさかなのはママがヴィヴィオの事を好き?
 い、いやまてよ。なのはママの事だからどうせ、他の皆も好きっていうオチに決まって――
「娘としてじゃなくて、一人の女性としてわたしはヴィヴィオを事が好きだよ」
「あ……………」
 私の気持ちを読み取ってか、私が一番望んでいた言葉を言ってくれる。
「ほ、ほんとに?」
 まだ信じられない気持ちでつい聞き返してしまう。
「うん。大好きだよ。世界で一番ヴィヴィオの事が大好き」
 ――――っ
 ぽろぽろと、涙が溢れ出てくる。
「ヴィ、ヴィヴィオ?」
「あ、ううん。大丈夫だよ。ただ嬉しいだけだから」
「そっか。だったらわたしも嬉しいかな」
「ありがと、なのはママ……いや、なのは」
「うん♪」
 

 高町なのは。私の母親であり、恋人であり、そして世界で一番大切な人。
 なのは……愛してるよ。

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