「すぅ……すぅ……」
 私の隣でなのはがとても気持ちよさそうに寝ている。
 なのはが眠っている事自体はどうでもいいんだ。
 問題はそこでは無い。問題は――

「ねぇ、なのは。あれかな? もしかして私を誘ってるのかな!?」
 眠っているなのはの格好が物凄くエッチだという事だ。  

 始まります。


「はぁ……」
 もう何回溜息を吐いただろうか? 正直数えるのも面倒なくらい溜息を吐いている。
 その原因は気持ちよさそうに眠っているなのはの姿にある。
 普段のなのははパジャマを着ているはずなのに、どうして今日に限ってこんな姿なのだろうか?
 ワイシャツ一枚だけというその姿は見ているだけで理性が崩壊しかねない姿だった。
「もう、何も考えずに襲っていいのかな?」
 無理やりはよくない。そんな事は理解している。
 だけど、なのはのこんな姿を見て我慢をしろというのも無理な話だ。
 それに敢えてこんな格好をしているとすれば、なのはが私を誘っているという事だ。
 誘われているのに襲わないというのは、なのはにも失礼だと思う。
 だから……だから――

「なのは。大好きだぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 最大限の愛情の言葉を叫びつつ、なのはに襲いかかる。
「ふぇ、フェイトちゃんっ!?」
「なのは、なのは。大好きだよ。なのは」
 驚くなのはを無視して、なのはの身体に顔を埋める。
「ふぇ、フェイトちゃん。きゅ、急にどうしたの?」
 疑問を投げかけつつ私を引き離そうと頑張るなのはだが、残念な事に今の私を押しのけるような
事は出来ない。もうこれ以上我慢をするなんて出来ないから。
 そう。たとえ、なのはのスターライトブレイカーを受けてもきっと大丈夫だろう。
「お、お願いだから落ち着いてよフェイトちゃん」
 必死にお願いをしているが、もう止まる事なんて出来ない。
 自分の欲望の赴くままに、なのはの身体を堪能する。が、
「い……いい加減にしなさ―――――――いっ!」
 なのはのカミナリが落ちた。比喩的表現ではなく、本当に……
 いつのまにそんな魔法が使えるようになったんだろう? とか思いながらなのはを見ると、今にも
泣きそうな表情を浮かべていた。
「わたしの事を愛してくれるのは嬉しいけど、無理やりなんて酷いよ……」
「なのは……」
 確かに許可を取らずに襲いかかったのは反省するべきなのかもしれない。
 だけど一つだけ聞いて欲しい。
 もともとは扇情的な格好をしていたなのはが悪いんであって、私は……
「あ、あのね。なのは私は――」
「フェイトちゃんごめんなさいは?」
「え……?」
「悪い事をしたらまずは、ごめんなさいって謝らないといけないんだよ」
 いや、謝らないといけないのは分かっているけど、なんで子供に諭すような言い方をするんだろう?
「……フェイトちゃん?」
「あ、うん……えっと、ごめんなさい」
 なのはを怒らせたままにするのはマズイので、とりあえず謝っておく。
「うん♪ 反省したならもういいよ。それじゃ、おやすみフェイトちゃん」
「うん。おやすみなのは……」
 満足したのか、なのはは再び眠りについた。
 一方私はというと、今の状況について全然理解出来ないでいた。
 どうしてこんな事になった? どうしてこうなった? どうして?
 色々言いたい事はあるが、なのははもう眠ってしまっている。
 このモヤモヤした気持ちを静める事が出来ず、更にはなのはの姿は先ほどから変わっていないので、
このムラムラした気持ちを静める事も出来ない。
 ほんと、どうしてこんな風になってしまったのだろうか?
 なのはにちゃんと許可を取ればよかったのだろうか? それともひたすら我慢をしていればよかった
のだろうか?
 結局のところ私には分からない。ただ一つ分かる事といえば――

 今はなのはを襲う事が出来ないという事と、このムラムラした気持ちを静める事が出来ないうえにもう
眠る事さえ出来ないという事だけだ。
「ほんと、生殺しもいいところだよ……」
 気持ちよさそうに眠っている愛しの彼女に文句を言いながら私は、この地獄ともいえる時間を過ごしていた。

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