手を伸ばせばきっと届くと思う。
 想いを伝えればきっと彼女は受け入れてくれると思う。
 確信はないけど、彼女はきっと私のことが好き。
 私も、もちろん彼女は大好きだ。
 だからこの想いは成就するし、その先にはきっと幸せな未来があると思う。
 だけど私は、一歩を踏み出せない。
 肝心の一歩を踏み出して前へと進むことが出来ない。
 自信はあるけど確信がないから私は動けない。
 まったくもって情けない。でも、仕方がないじゃないか。
 彼女に拒絶される未来。そんな未来があると思うと――私は動けなくなってしまう。
 あぁ、どうして私はこんなにも臆病者なのだろうか?

 始まります。


 私の愛おしい女の子――高町なのは。
 彼女との付き合いは小学生の頃からで、大人になった今でも深い親交がある。
 そんな子供の頃から知っている彼女に私は恋をしてしまった。
 いつ頃から彼女に恋をしていたのかは分からないけど、気が付いた時にはもう恋をしていた。
 彼女にこの想いを伝えたい。そう想ってはいるけど伝えることが出来ない。
 彼女に拒絶されるのが恐い。想いを伝えることで、今の関係が崩れるのが恐い。
 そう考えてしまうと何も動く事が出来なくってしまう。
 想いを伝え、拒絶される確率はかなり低いと思う……思うのだが、それでも絶対ではない。
 私は臆病だから、1%でも可能性がある以上踏みとどまってしまう。
 何度、頭で大丈夫と繰り返しても想いを伝えられない。
 こんなことでもたついている間に彼女が他の誰かに取られてしまう可能性だってある。
 だから早く行動しないといけないのに行動出来ない。
 私は何年もこんな風に頭を悩ませている。
 そして彼女は私のこんな気持ちなど知らずに笑顔で微笑んでいる。
 別に彼女に怒っているわけではない。
 自分に怒っているのだ。
 いつまで経っても行動出来ない自分に。

「なぁ、なのはちゃん。なのはちゃんは私のこと、どう思ってるんやろね」
 一人外で愚痴る。
 こんな姿、誰にも見せることは出来ない。
 こんな姿を見せたら失望されるだろうから。
 それでも私は、一人愚痴を漏らしてしまう。
 彼女に……愛してやまない彼女への想いを――我儘で身勝手な愚痴を。

「お願いやからなのはちゃん。私の気持ちに気が付いて下さい」
 ――と。

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