主はやてといる時も思っていたが、私は本当につまらない存在だ。
 私は色々な人達からたくさんの物や想いを貰っている。
 なのに私は何もあげる事が出来ない。
 そんな私を彼女はどう思っているのだろうか?  

 始まります。


「なのは……一つ聞きたい事があるんだが……」
「何ですか? シグナムさん♪」
 ただ、彼女の名前を呼んだだけなのに、なのはは嬉しそうに私に振り向く。
「私は皆に、なのはに対して何かを出来ているのだろうか?」
 私は戦う事しか出来ない。そんな私が人に対して何かを出来ているのだろうか?
 しかし、なのは達は違う。最前線で戦う事も出来るし、色々な人に対してたくさんの物を与えている。
 なのに私は―――
「私は戦う事以外出来ない女だから――」
 そんな私と一緒にいて、なのははどう思っているのだろうか?
 不安ばかりが募る。
 私は自分がこんなにも弱いとは思わなかった。
 こんな弱い私をなのはは軽蔑したりしないだろうか?
「なのはは――」
「……大丈夫ですよシグナムさん」
「なの――」
 包み込むようになのはが私を抱き締める。
「シグナムさんは、色んな人達にたくさんの物を与えてくれていますよ」
 優しい言葉……
 まるで泣きじゃくる子供をあやすような感じで、言葉を続ける。
「それに戦う事しか出来ないなんて、悲しい事言わないで下さい。わたしはシグナムさんと一緒にいられるだけで
気持ちが安らぎますし、嬉しいんですよ」
「なのは……」
「だから、そんな悲しい事は言わないで下さい。わたしにはシグナムさんが必要なんですから」
 なのはが泣きながら懇願する。
「すまない……」
 どうやら私は本当に愚かだったようだ。
 自分では何も出来ないと思いこみ、大切な人を泣かせてしまった。
 なのはの泣き顔だけは絶対に見たくはなかったのに……
「本当にすまなかった……」
 私はただただ、謝り続けた。

「シグナムさん、もう二度とあんな事言わないで下さいよ」
 暫くして落ち着いたのか、泣きやんだなのはは、今度はお説教モードになっている。
「ああ、肝に銘じておく」
「約束ですからね」
「ああ」
 もう二度となのはの涙を見たくは無いからな。
 こんな私でも、誰かを幸せに出来るのなら私はもう迷わない。
 迷わず、ただ真っ直ぐだけを見つめて――

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