「お、おい……なのは」
「……」
「なの……は?」
「…………」
「えっと、なのはさん……」
「……」
 さっきから、ずっとこの調子で無視を決め込んでいるなのは。
 一体、あたしが何をしたっていうんだよ? つーか、何かしたんなら教えてくれよ。
 教えてくれたら、謝ることだって出来るってのに。

 始まります。


「なぁ、なのは。話しを聞いてくれよ」
「…………」
 酷いくらい無視を決め込むなのは。
 ほんっと、あたしが何をしたっていうんだよ……あー、もう泣きたいよマジで。
「……はぁ。ヴィータちゃん。何でわたしが怒ってるのかほんとに分からないの?」
「お、おう……」
 情けない話しだが、ほんとになのはが怒っている理由が分からないんだ。
 別に、なのはの気に障るようなことをした覚えもないし……
「む〜、ほんとは自分で気が付いて欲しかったけど……」
「すまん」
 だから怒っている理由を教えてくれ。
「………………キス」
「……は?」
「おはようのキスをしてくれてない」
「……」
 あーその、どういうことだ?
「わたしはヴィータちゃんにおはようのキスをして欲しいの! なのに、全然してくれない
から怒っているの!」
 えぇー。そんなことで怒ってるのかよ。
 本気で悩んで損をしたじゃねぇか。つーか、そもそもおはようのキスをする約束なんか
してないよな?
「むむ! ヴィータちゃん、おはようのキスをくだらないとか思ったでしょ?」
「そ、そんなことはないぞ」
「あのね、おはようのキスはとっても大事なことなんだよ。おはようのキス。それをして
もらうだけで、今日一日頑張ろうって気分になれる素敵な挨拶なんだよ?」
 おはようのキスについて力説をするなのは。
「そういうわけだから……」
 なにやら唇を前に尖らせるなのは。
 これはあれか? 今からなのはにキスをしろってことなのか?
「ん〜〜〜〜」
 ま、マジかよ。マジでキスしないといけないのかよ。
 うぅ……あんま恥ずかしいことはしたくないんだけど……でも、なのはが待ってるし、
このまま不機嫌な状態にしておくわけにはいかないし……
 覚悟を決めるしかない……か。
「い、いくぞ。なのは」
「うん……」
 覚悟を決め。そして――

「……んっ」
「んっ、んん……」
 あたしは、なのはにキスをした。
「こ、これでいいんだろ?」
「うん。ありがとヴィータちゃん♪」
 とても嬉しそうにほほ笑むなのは。
 あーもう、ほんっとコイツの笑顔はズルイよな。コイツの笑顔を見ると恥ずかしいのとか
全部すっ飛んでしまう。
 まぁ、こんななのはの笑顔を見れるのなら、おはようのキスをするのも悪くはないのかな?

「では、改めましておはようヴィータちゃん♪」
「ああ、おはようなのは」

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