緊急事態。誰でもいいから助けを……いや、助言を求めたい状態。
 嬉しいけど嬉しくない。見ていたいのに見ることが出来ない。
 とても複雑な心境。そんな状況に私は立たされています。
 あうぅ……本当にどうしたらいいんだろう?

 始まります。


 私がこんなにも困っている原因。その原因は目の前の光景にある。
「う〜暑いよ〜」
 パタパタと団扇で扇いでいるなのはママ。
 それだけなら特に問題はないように思うかもしれない。だけど、なのはママの格好に問題があるのだ。
 暑いのは分かっている。身体に悪いからってクーラーの長時間の使用を控えているのも理解出来る。
 だけど――だけど!
「やっぱりクーラーつけようかな……」
「いや、扇風機でいいんじゃないかな?」
「そうなんだけど〜窓を開けたらどうにかなりそうな気もするんだもん〜!」
 そう可愛らしく言うなのはママ。
 うん、確かに窓を全開に開けたらある程度は風が入ってきて涼しくなるよね。
 だからね、そろそろその格好をどうにかした方がいいと思うんだ。
 先ほどから私が困っているなのはママの格好。非常にだらしないというか気の抜けた格好。
 まぁ……有体に言うと下着姿なんだけど……それを見る方の身にもなって欲しい。
 下着姿という非常に艶やかな姿でだらけられていると、どうすればいいのか分からない。
 なのはママのちょっとエッチな姿。それはとても嬉しくて見ていたいはずなのに……
 何故か目を背けてしまう。私の方が気恥ずかしくなってしまう。
 だったら、自分の部屋に戻るか外に遊びに行けばいい。誰しもそんな答えを出すだろう。
 私自身もそれが正しい選択だと思っている。だけど実際はそれをすることが出来ない。
 分かっているんだ。私が動くことが出来ない理由。
 色々と文句を言ってはいるが結局の所、私自身がなのはママの下着姿を見ていたい。そう思っているのだ。
「ヴィヴィオ〜」
「……何かな、なのはママ」
「暑い〜」
 普段の凜とした姿ではなく、だらしなくて情けない姿。そんな凛々しさの欠片もない状態のなのはママ。
 外では絶対に見ることの出来ない光景を見ることが出来て、更には甘えてもらえている私はきっと幸せ者なのだろう。
 こんな風に甘えてくるのは数えるほどしかいないのだから……
「大人しくクーラーつけたら?」
 だからといって、私がそれを表に出すことはしないんだけどね。
「でもクーラーは……」
「諦めるしかないよ?」
「うにゃあ〜」
 なんというか、なのはママは大人なのに非常に子供っぽく見える。
 そこまでクーラーを使うことを渋る必要はないと思うんだけどね。てか、クーラーを使ってくれないと私が困る。
 どうにかしてなのはママの姿を改善する必要があるのだ。このままずっと下着姿でいられるのは非常に困る。
 私が私でいられなくなる恐れがあるから。理性が最後まで持つか怪しいから。
 だからこそ、どうにか今の状態を改善したいと思っている。
「……」
「…………」
「……」
 意地でもクーラーを使うつもりはないのだろうか? そこまで意固地になる必要もないと思うんだけどね。
 私自身は暑くないのかって? そりゃ暑いけど、それよりも目の前の光景の方が問題だからね。
 身体というよりは顔が熱くて大変なことになりそうだ。
 ほんと、暑さで汗をかいて――それが更になのはママを妖艶に見せる。
 このままでは、なのはママより先に私が倒れてしまうことになりそうだ。
「う〜う〜ん〜」
 唸りながら何かを必死に考えている様子のなのはママ。
 まぁ、大体何を考えているのかは想像が出来るんだけどね。クーラーをつけるかどうか、それを迷っているのだろう。
 うん、我慢は身体に悪いから諦めてクーラーをつけることを進めるよ。
 そっちの方がなのはママも涼しくなるし、私も興奮の度合いを下げることが出来る。
 だからなのはママ――
「むぅー! クーラーつける!」
 ようやくクーラーをつけることを決めた様子のなのはママ。これで私も落ち着くことが出来そうだ。
 よかった。本当によかった……はずなんだけど――

「ヴィヴィオは温かいね♪」
「……なんでこうなったの?」
 私は今何故かなのはママに抱きつかれています。クーラーがついているから抱きつかれて暑いということはないけど、それでも熱い。
 身体が暑いんじゃなくて心が顔が熱い。
 しかも訳の分からないことになのはママは下着姿のままだ。
 下着姿の状態に私に抱きついているのだ。
 なのはママ曰く『ヴィヴィオを抱いているとちょうどいい温度』らしい。
 本当にどうしてこんなことになったのだろうか? 何度も同じ疑問を呟いてしまう。
 私はただなのはママに普通の格好をして欲しかっただけなのに。

 あぁ……誰か助けて下さい。このままでは私が沸騰してしまいます。
 なのはママの熱にやられてダメになってしまいます。
 素晴らしい助言があれば私に授けて下さいお願いします。

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