パートナーを守れなかったあの日。
 自分の不甲斐なさが許せなかった。
 他の誰もが守れなくても、あたしだけは守らなくちゃいけなかった。
 だからあの日誓ったんだ。もうあんな想いをするのは嫌だと。
 何があっても、彼女を守り通すと。
 彼女の身も心もあたしが守るって――

 始まるからな。


「なのは、こんな所にいたのか」
「ヴィータちゃん……」 
 六課の何処にもいないと思ったら、外でバカみたいにボーと空を眺めていやがった。
「こんな所で何してたんだよ?」
 空も暗くなって、時間も結構遅いのに寝ないで何してんだよ?
「うん……少し空を見てたんだ」
 そんな事言われなくても分かってる。あたしが知りたいのは、そんな事じゃない。
 あたしが知りたいのは――
「考え事か?」
 お前のその胸の内が知りたいんだ。お前はいつだって心の内を隠すから、誰にも悩みを相談しないから、
だからあたしは心配なんだ。
 そうやって、自分の心を傷つけすぎると、いつか壊れてしまうんじゃないかと心配になる。
「にゃはは。そんな所かな?」
 ただ、そう苦笑いするだけで、決して本心を語ろうとはしない。
 お前の事だから、はやてやフェイトにすら本心を語っていないのだろう。
 そうやって、誰にも助けを求めず一人で勝手に傷ついて、あたし達がどれだけ心配しているのかこいつは、
知らなさすぎるんだ。
 だから、あの時――
「……ヴィータちゃんは本当に優しいね」
 ……違う。
「ヴィータちゃんは、優しすぎるよ」
 違う! あたしは優しいわけじゃ無いんだ!
 あたしはただ、お前の事が――
「そろそろ体も冷えてきたし、戻ろうか」
「ああ……」
 踵を返すなのはに、あたしも続く。
 本当なら、今すぐにでもなのはの腕を引っ張って言わなきゃならない事がある。
 だけど言えない。それはあたしが臆病だから……
 それにもし、言えたとしてもこの想いは受け取ってもらえないだろう。
 あたしじゃ、なのはの心を救えないから。
 だけど、勝手に守るくらいはしてもいいよな?
 あの時誓ったんだ。お前を守ると。
 お前の笑顔も身体も心も全部、全部守るって。
 だから、新たにお前を守ってくれる人間が現れるまでは、守ってもいいよな?
 あたしのエゴだというのは分かってる。でも、お前が……なのはが好きだから、だから――  

 最後まで守らせて下さい。

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