初めて君に会って君に助けてもらった時から――
 今に至るまで幾つもの時を重ねて私達は大人になった。
 年を一つ重ねるたび私の君への想いはまた一つ大きくなる。
 ねぇ、君はどうなのかな?
 私と同じ気持ちなのかな?

 始まります。


「今年も新しい一年が始まったね〜」
「そうだね。今年も宜しくねなのは」
「わたしの方こそ宜しくだよフェイトちゃん♪」
 一年が終わりまた新しい一年が始まる。
 もう何度めになるか分からないが、毎年こんなやり取りとしている。
 年を重ねるごとになのはは綺麗になっていく。
 そんななのはを見ていると少しだけ不安になっていく。
 本当に自分はなのはに相応しい相手なのか? もっと他にいい相手がいるんじゃないのだろうか?
 そんな事を考えてしまう。
 勿論私はなのはを世界で一番愛しているという自負はあるし、誰にもなのはの隣を譲りたく無い。
 だけど不安になる。
 私は年々なのはの事を好きになっているけど、肝心のなのははどう思っているのだろうか?
「ねぇ……なのは」
「な〜に? フェイトちゃん」
「なのはは私の事どう想ってるの?」
「フェイトちゃんの事?」
「うん。私の事どう想ってくれてるのかなって」
 思い切って直接なのはに聞いてみた。
 なのははどこか天然な所があり、回りくどく聞いてもあまり意味がないから。
「勿論大好きだよ」
「…………」
 私が聞きたかった事はそんな事では無い。
 好きだと言ってもらえる事は嬉しいし、なのはが私の事を愛してくれているのも分かっている。
 でもね私が知りたいのはそんな事ではなくて、もっと別の――
「……ねぇ、なのは。なのはと私の気持ちの差はどれくらいあるのかな?」
「フェイトちゃん?」
 私の君への想いは言葉でも態度でも表す事が出来ないくらいに大きいんだ。
 でも……なのはの気持ちは――?
「私はなのはの事が大好きだよ。好き過ぎておかしくなりそうなくらい愛している。だけど、なのはは私
の事どう想ってくれてるの? 恥ずかしくてあまり言葉にしないのも分かるけど、教えて欲しいんだ。
私となのはの気持ちがどれくらい同じなのかを」
 言葉で聞かないと安心出来ないんだ。
「なのはは魅力的だから、何の取り柄も無い私は毎日が不安なんだよ」
 私は、なのはが居ないと生きていけないから。
 なのはが居るから頑張る事が出来る。
 もし、なのはが居なくなってしまったら――
 そんな事考えるだけで泣きそうになってしまう。心が痛いくらいに締め付けられてしまう。
「フェイトちゃん……」
「だからなの――んぐっ!?」
 言い終える前に、なのはに無理やり唇を塞がれる。
「ん……フェイトちゃんのばかぁ……」
「バ――」
 バカって酷いよなのはぁ……
「あまり口にしないわたしも悪いけど、すぐに自分を卑下するフェイトちゃんはもっと悪いよ!」
「で、でも――」
 私は本当に何も無いから……
「フェイトちゃんはい〜ぱい魅力があるし、素敵な所も沢山あるんだよ! それにわたしだって、
フェイトちゃんの事大好きだし世界で一番愛してるもん! それこそ他の誰にも負けないくらいに!」
「なの……は」
「フェイトちゃんが不安を感じるなら、何度だって言うよ。わたしはフェイトちゃんが一番好きなの!」
 なのはの気持ち……訴えるように叫ぶなのはの気持ちはとても嬉しくて、
「ごめん……そしてありがとうなのは」
 ただ謝罪の言葉と感謝の言葉を示すしか出来なかった。


「さっきは少しビックリしちゃった」
「うぅ……ごめんなさい」
「ううん。わたしもフェイトちゃんの気持ちが分かって嬉しかったしね♪」
「なのは……」
「にゃはは。フェイトちゃん大好きだからね」
「うん……私も大好きだよ」
 年々大きくなる気持ち。
 その気持ちは私だけじゃなく、なのはも――
 そう思うと気持ちが、ふっと軽くなる。
 ああ。なのはも私と同じなんだって。
 幸せな気持ちになる。
 

 なのは今年もそして、これからも宜しくね。
 ダメダメな私だけど、君への愛情は本物だから。

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