なかなか帰って来れないあなた。
 少しでもその寂しさを紛らわすためにとったわたしの行動。
 あなたがその行為を見たらきっと幻滅するのかな?
 だけど、我慢が出来ないの。
 わたしは、あなたが――フェイトちゃんが大好きだから。

 始まります。


 フェイトちゃんの服。
 ちゃんと洗濯をしているから匂い自体は無いけど、服を抱きしめて顔を埋めると、
フェイトちゃんに直接抱かれているような感覚になる。
 匂いも無いはずなのに、フェイトちゃんの匂いも感じる。
 初めは寂しさを紛らわすための行為だったのに……
 気が付くと毎日同じ行為をしている。
 確かにずっと寂しいとは感じているけど、毎日彼女の服を抱きしめ、顔を埋めるのは
おかしいと思う。
 だけど、我慢が出来ないから仕方が無い。
 本当は本物のフェイトちゃんに毎日抱かれていたいと思っているけど、それは叶わないから。
 せめて彼女の温もりだけでも……
 それが自分の勝手な妄想だとしても……
 常にフェイトちゃんを感じていたい。

「はぁ……もし、フェイトちゃんがわたしのこんな姿見たらなんて思うんだろ?」
 やっぱり軽蔑するのかな?
「軽蔑……するよね」
 きっと気持ち悪いって思っちゃうよね。
 だからフェイトちゃんにはこんな姿を見せるわけにはいかない。
「軽蔑なんてしないよ。むしろ嬉しいって思うかな」
「え――?」
 慌てて声のした方を振り返ると、そこには今は居て欲しくない人が居た。
「フェイト……ちゃん」
「ただいま。なのは」
「お、お帰り……フェイトちゃん」
 どうしてこんなタイミングで帰ってくるの?
 フェイトちゃんに会えるのは嬉しいけど、もう少しタイミングを考えてほしかった。
 一番見られたくない時に帰ってくるなんて、ほんと今すぐにでも逃げ出したいよ。
「大丈夫だよなのは。さっきも言ったけど、私は軽蔑とかしてないから。むしろ嬉しいって
思ってるんだよ。本当に」
「……嘘」
「嘘じゃないよ。本当に嬉しいんだ」
「なん……で?」
 普通の人は気持ち悪いって思うはずなのに、どうしてフェイトちゃんは……
「なのはが私の事を想っての行動だから……だから嬉しいんだ。
 なのはが私を求めている。私に側に居て欲しいって思っている。それを感じる事が出来る
から、だから嬉しいんだ」
「フェイトちゃん……」
 まさかフェイトちゃんが、そんな風に思ってくれているなんて。
 絶対に嫌われた。そう思っていたのに……
 ほんとにフェイトちゃんは優しすぎるよ。
 こんなわたしにも優しくしてくれるなんて……
 だからわたしは、あなたから離れる事が出来ない。
 まるで甘い香りに引き寄せられた蝶のように……

 わたしは、あなたに依存する。

inserted by FC2 system