仕事のやり過ぎ……だとは思っていなかったけど、ついに倒れてしまった。
 倒れたといっても、ほんの少し熱が出ただけで大袈裟にするほどでも無い。
 でも君はそんなのは関係無いと私を叱った。
 たくさん、たくさん叱って、そして看病をしてくれている。
 叱られたのは嫌だったけど、こうして看病してもらえるなら、偶には倒れてみるのもいいかなって思う。
 まぁ、こんな事を言ったらまた怒られるんだけどね。

 始まります。


「なのは……ごめんね」
「謝るぐらいなら、初めから無理をしないでよ」
「ごめん……」
 これで何度目になるだろうか? 何度もなのはに謝る。
 過労で倒れたといっても大した事無いのに、なのはは仕事を休んでまでも私の看病をしてくれている。
 なのはまで仕事を休むのはどうかと思うけど、こうしてなのはに看病してもらっている事を嬉しくも思っている。
「もう……フェイトちゃんばかぁ……」
 決して怒って言っているわけでは無い言葉。
 バカって言われるのは悲しいけど、照れ隠しでバカって言うなのはは可愛い。
「わたしじゃフェイトちゃんの疲れをとる事は出来ないけど――」
 段々となのはの顔が近づいてくる。
「なの……」
 私も瞳を閉じて軽く唇を突き出して、そして――
 

 ピンポーン
「ぁ………」
「……………」
 折角いい所だったのに邪魔が入る。全く誰なのだろうか?
「わ、わたし見てくるね」
「なのは――」
 なのはは、少し照れくさそうに玄関の方へと行く。
 私は邪魔した者の正体を探ろうと耳を澄まして音を拾う。
「八神部隊長からお届け物です」
「はやてちゃんから?」
「では、こちらを」
 ん、はやてから? 一体何を寄越して来たのだろうか? まぁ、あまりいい予感はしないけどね。
 なのはが、はやてからのお届け物を受け取って少しして私は、神を見た――

「ふぇ、フェイトちゃん……ど、どうかな?」
「あ………」
 なのはが、なのはが――
 ナース服を着ている!
 何で? どうして? そんな言葉が頭の中を駆け巡る。
「な、なのは……その……」
「えっと、はやてちゃんからのお届け物でこれを着て看病をしたら、フェイトちゃんがすぐに元気になるって書いてて」
「はやてが……」
 一時は邪魔をされて怒りを感じたけど、はやて君はとてもいい仕事をしたよ。
 なのはのナース姿を見て元気にならないわけが無いじゃないか。
 これは後ではやてに礼を言っておかないといけないな。
「そ、それでどうかな? 元気出たかな?」
 恥ずかしそうに指をもじもじさせながら、聞いてくる。
 くぅ〜その姿でその仕草は反則だよ〜♪
「フェイトちゃん?」
「なのは―――っ!」
 私は言うより早くなのはを抱き抱えベッドに押し倒す。
「ふぇ、フェイトちゃん……?!」
「なのは……可愛がってあげる……」
「え、えぇぇぇぇぇえぇぇぇっ!?」
「いただきます」
 私は熱が出ている事さえも忘れてなのはを可愛がる。
 そして、その結果が――

「う〜なのは〜苦しいよぉ〜」
「もう、知らないっ! フェイトちゃんの自業自得でしょ」
「う〜そんな〜」
 軽い熱から重い熱へと変化してしまい。また仕事を休む事になってしまった。
 しかも今回は、なのはの看病は無い。
 私一人で一体どうすれば……大体なのはも悪いと思うんだ。だって、あんな姿で私の前に出たら襲われるのは分かってる
はずなのに……なのに、私だけが一方的に悪いってどうなの?
 誰もいない部屋の中、一人で悶々と考えていたのだった。

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