人間誰にも言えない事の一つや二つはあるものだ。
 言えない事なのだから、それを聞きだすのは良くないのは分かっている。
 だけど、同時にそれを知りたいとも思ってしまう。
 他ならぬ君の事だから……

 始まります。


「なぁ、なのはちゃん。何か私に隠し事ある?」
「は、はやてちゃん急に何を――?」
 不意に問いかけた言葉。
 本人が隠している事だから聞くのは野暮なのだが、自分にとって大切な……
 世界で一番愛している人の隠し事だから……
 知りたいと思うのは至極当然の事ではないだろうか?
「もし何か隠してる事があるなら教えて欲しいな」
 どんな些細な事でもええ。何でもいいから話して欲しい。
「べ、別に隠し事なんて……」
「本当に?」
 じっと、なのはちゃんの瞳を見つめて答えを待つ。
「…………」

「はぁ……はやてちゃんはズルイなぁ……そんな顔されたら何も言わないわけには
いかないじゃない」
 少しだけ呆れたような表情で言う。
 私かて自分がズルイのは理解している。でも、仕方ないやろ。
 私は、なのはちゃんが大好きなんやから。
「わたしの隠し事はね。はやてちゃん――」

“落ち込んだり、悲しそうな表情をしているはやてちゃんの顔を見るのが大好きだって事だよ”

「……え?」
 今、なんて言った?
「実はわたし、はやてちゃんを弄るのが大好きなの♪」
「そ、それ、マジ?」
「うん♪」
 いや、そんな事嬉しそうに言わんといてよ。
 てか、なのはちゃんにそんな趣味があるとは思わんかったわ。これもある意味では聞かないと
知る事が出来なかった彼女の一面なのだろう。
「はやてちゃんが悪いんだよ? はやてちゃんの表情がわたしの心を擽るからいけないの」
「そんな事――」
 私にはどうしようもないやん!
「いい意味で運が悪かったんだろうね。でも、わたし達の相性はバッチリだから問題ないよね」
「それは……」
 そういう意味では間違いではないけど、なんかこう……微妙な感じがするなぁ……
「わたしの秘密はこんな所だよ。満足したかな?」
「あ、ああ……」
 なのはちゃんの隠し事を聞く事が出来たのは嬉しいんやけど、もしかしたら聞かない方がよかった
のかもしれないと思うのは何故だろう?
 でも、結局のところ――  

 なのはちゃんに弄られるのは悪くないと思ってるんよね。  

 こればっかりは本人に直接言うつもりは無いけどね。
 言ったら言ったで、行為がエスカレートしそうやしな。
 意地でも隠し通そう。

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