「すぅ……すぅ……」
 側で寝息を立てている彼女。
 気持ちよさそうに眠る、その姿はとても可愛らしくて。
 つい、悪戯心が芽生えてしまう。
 せっかく、気持ちよさそうに寝ているのに、その眠りを妨げるのはいけない。
 そんな事は分かっているのに――

「ぅん……ん……」
 あぁ、これも全てあなたが可愛いからいけないのです。
 そう。全てはヴィヴィオさんが――

 始まります。


「…………ん」
 可愛らしい寝顔から発せられる寝息。
 柔らかそうな頬に艶やかな唇。
 これを見て、何もしないなんて不可能に決まっています。
 大丈夫。ヴィヴィオさんは眠っているから、少々変な事をしてもバレないはず。
「い、いきます……」  

 ぷに……

「おお……」
 ヴィヴィオさんの頬っぺた。凄く柔らかい……
 ずっと、つついていたくなるような柔らかさがあります。  

 ぷにぷにぷに。  

「あぁ、癖になりそう……」
 ヴィヴィオさんの頬の柔らかさは卑怯なほど気持ちがいいです。
 どうして、こんなに気持ちいいのだろうか?
 それはきっと、ヴィヴィオさんだから? うん、そういう事なんでしょうね。
 頬でこの柔らかさなら、唇は――

 きっと、物凄く柔らかくて感触も素晴らしいのでしょう。
「……あ」
 なんという柔らかさ。頬とは比べ物にならないくらい柔らかいです。
 マシュマロのような柔らかさですね。
「……ん、んぁ……ちゅ」
「――――っ!?」
 ヴィ、ヴィヴィオさん!? い、一体何を――っ!?
 わ、私の指を舐めるだなんて――い、いやまぁ、私がヴィヴィオさんの唇を突いていた
のが悪いんでしょうけど、無意識で舐めるのは……
「ちゅぱ……ちゅる」
「あ、あぁ……」
 ヴィヴィオさんが美味しそうに私の指を舐めている。
 きっと、アイスか何かを食べている夢を見ているのでしょう。
 それは別にどうでもいいのです。そんな事よりも、今は私の方です。
 何をどうすればいいのか思考が全然働かない。
 もし、ここでヴィヴィオさんが目を覚ましたら、どう言い訳をすればいいのか分からない。
 あぁ、私は一体どうすれば――

「んあ……うん……」
「――――あっ」
 ヴィヴィオさんが指を離してくれました。
 これで一応、最悪の展開はなくなりましたが……今余計な思考が……
「だ、大丈夫。今は誰も見ていない……」
 だから、私がここで何をしても大丈夫なはず。
 い、いきますよ?
「――んっ」  

 意を決して指を舐める。
 先ほどまでヴィヴィオさんが舐めていた指を私自身が――
 こんなのおかしいっていうのは分かっています。
 ですが、止める事が出来なかったのです。  

 言い訳にしかなりませんが、敢えて言わせてもらうのなら、ヴィヴィオさんのせいなんですよ。
 彼女が可愛くて、愛おしから私はこんなにも変な行動を取ってしまう。
 それだけなんです!

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