なのはが何を考えてこんな事をしているのかは分からない。
 しかし、そんな事よりもあたしにはやらなければいけない事がある。
 そう。彼女の行動に対して正しい意見を言わなければならない。
 言わなければならないんだ……

 始まります。


「なぁ、なのは……」
「何かな? ヴィータちゃん」
 なのはが可愛く小首を傾げる。ああ、その仕草は確かに可愛い。
 可愛いのは分かっている。しかしそれよりも大事な事がある。
「……その格好は一体何なんだ?」
 今のなのはの格好は本当に意味が分からない。どういう理由でその格好をする経緯に
至ったのか分からない。
「にゃはは。似合うかな?」
「その……」
 別に彼女の今の姿が似合わないわけでは無い。それなりに可愛いと思う。
 しかしながら何故バニーガールなのだろうか?
 イメージ的にバニーガールというのは変な気がする。
 それにあたし的に目のやり場に困るし……
「もしかしてヴィータちゃんは他の格好の方がよかったのかな……?」
 言い淀んだあたしを見てそう感じたのか、なのはがシュンとする。
「あ、あたしはその――」
「待っててねヴィータちゃん。すぐに他の衣装に着替えるから」
「え…………」
 そう言うとなのはは自分の部屋に戻り何やら準備を始めだした。
「〜♪ 〜〜〜♪」
 実に嫌な予感しかしないのだが。
 すぐにその嫌な予感は的中した。
「見てみて〜♪ 似合うかな?」
「…………」
 言葉を失った。本当に何を言っていいか分からない。
 あたしの目の前に現れたのは――

 バニ―ガール姿よりも露出度が高い姿だった。
「さすがにこれは恥ずかしいかも……」
 もじもじと指を弄りながら照れた表情を浮かべる。
 恥ずかしいのはむしろあたしの方だよ。
 なんだよその格好は。さっきのとは比べ物にならないじゃないか。
 ただでさえバニ―ガールの姿は露出が多いのに、この姿はなんだ?
 頭にネコ耳が付いているからネコの格好なのだろうが、あまりに布の面積が少なすぎる。
 隠しているのは本当にギリギリの部分だけなのだ。
 それにアクセントとして、ネコ耳と尻尾がついているだけなのである。
 マジで洒落になんねぇだろそれは……
「興奮する? 興奮するかな? ヴィータちゃん」
「あ、あたしは別に……」
「興奮してくれたら嬉しいかな」
 確かに興奮はするけど……なのはは一体何を思ってこんな事をしているのだろうか?
 やはり一度なのはには言っておかなといけないのかもしれない。
「にゃははっ♪」
 ああ。やはり言わないといけないな。
「あのな。なのは少し言いたい事があるんだが……」
「ん。何かなヴィータちゃん」
「お前の行動についてなんだけど」
「わたしの行動が萌え萌えとか?」
「萌え萌え……いや、それもあながち間違いじゃないけど、それ以前に自重しようとは
思わないのか?」
 やっている本人は楽しいかもしれないけど、見ている方のあたしとしては結構ドキドキ
してるんだよ。
 色々と複雑な気持ちなんだぞ。だから自重して欲しいと思う。
 主にあたしの心のために……
「だから少しは自重してくれなのは」
「あはっ♪ それ無理♪」
「いや、無理って……」
 何でそんなに嬉しそうな顔で言うんだよ。しかもその台詞と言い方はマズイ気がする。
 そんな戯言はどうでもいいんだが、どうやら自重はしてくれないそうだ。
 はぁ……あたしがちゃんと言わないといけないっていうのは分かってるんだけど、やっぱり
これも惚れた弱みなのかね。
 仕方が無いなって思ってしまうのは。
 それにそんななのはも可愛くて愛おしいと思ってしまうのは。
 ああ。ほんと、仕方が無いな。

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