あまりに永い時間を共に過ごしていると、ふとした時にその人がいなくなると、
急に不安になる事がある。
 たとえ、それがほんの少しの間でも……

 始まります。


「う……ん、なのは……」
 朝起きてまず最初になのはの名前を呼ぶ。
 それは、いつもワタシの方が早くに起きてなのはを起こしているから。
 だから今日もいつものように、なのはに声をかける。
 しかし―――

 なのはからは何も返事が返ってこない。
 慌ててなのはの姿を探すが、どこにもなのはの姿が無い。
「お、落ち着きましょう……」
 まずは、落ち着こう。
 まだなのはが、行方不明になったわけでは無い。ただ何処かに出かけているのかもしれない。
「でも――何処に?」
 こんな朝早くに何処か行く所などあるのだろうか? それに今日は仕事が休みだ。
 必死に自分の心を落ち着かせながら考える。
 何処に――? 何をしに――?
 考えれば考えるほど、思考が悪い方向へと向かっていく。
 確かになのはは強い。でも相手の方が強かったら? それに今ワタシが此処にいるという事は、
なのははデバイスを持っていないという事だ。
 そんな時にもし誰かに襲われでもしたら……
 最悪の事を考えてしまい、一瞬パニックに陥る。
 思い出すのは、あの時の事故。
 そして、自分の不甲斐なさ。
 もう、あんな思いは…………
 ワタシは居ても立ってもいられず、部屋を飛び出す。

「きゃっ!?」
「あ……」
 部屋を飛び出した瞬間、誰かにぶつかる。
「も〜一体何なの?」
「す、すみませんっ」
 慌てて謝りながら手を差し伸べると、
  そこには――
「れ、レイジングハート?」
 な、なのはだ。なのはが目の前にいる。なのはが無事帰ってきたんだ。
「なのはっ! なのはっ! なのはっ」
「ちょ、れ、レイジングハート?」
 ワタシは、泣きじゃくる子供のようになのはに抱きつく。
「レイジングハート……」
 最初は戸惑っていたなのはも、ゆっくりとワタシを抱き締めて優しく背中を撫でてくれる。

「それで、レイジングハート説明してくれるかな?」
 暫くして、落ち着きを取り戻したワタシに説明を求められる。
 それはそうだ。いきなり抱きつかれて泣きだしたら、理由が知りたくもなりますよね。
「その、実は……朝起きてなのはがいなくて……」
「うん……」
「不安になって、誰かに襲われてるんじゃないかって思って……」
 いくらエース・オブ・エースといってもなのはは、女性なんですから……
「んも〜レイジングハートは心配性だなぁ〜」
「違います。心配性なんかじゃ無いですよ」
 ただ、ワタシにはあなたという存在が大き過ぎて、失っていまう事が怖いんです。
 それ程あなたの事が大切なんです。
「にゃはは。今度からはちゃんと行き先教えた方がいいのかな?」
「ぜひ、そうしてください」
「はいはい、りょ〜かい♪」
 なのはは、あまり本気に受け取っていないみたいだけど、ワタシは本気だ。
 この愛しい人を失ってはいけない。
 なのはがいないとワタシは――生きてはいけない。
 それ程までになっているのだ。ワタシにとってのなのはの存在という物は、
 

「今から少し外に出ようと思うけど、レイジングハートも一緒に来る?」
「はい。ついていきます」
「ん♪」
 何処までもついていきます。あなたが何と言おうと……
 あなたと離れるのはとても不安だから。
 だからワタシは、何処までもあなたと共に――

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