風邪を引いて寝込んでしまった。
 熱に魘され身体もダルイけど、私の心は喜んでいる。
 だって、今この瞬間だけは――  

 なのはママを一人占め出来るから。

 始まります。


「ごほっ……げほっ……」
「ヴィヴィオ大丈夫?」
「だ、大丈夫だよ」
 咳は出るし、頭も痛いけど一応大丈夫だよ。
「辛かったらちゃんと言うんだよ」
「分かってるよ。ほんと、なのはママは心配性なんだから」
 そう言いつつも心の中では、もっと心配して欲しいと思っている。
「そ、そうだ。ヴィヴィオお腹空いたでしょ? お粥作ってくるね」
「あ、うん……」
 確かに少しだけお腹が空いてるけど、もう少し私の側に居て欲しかった。
 ご飯を食べるより、なのはママの顔を見ている方が元気が出るから。
 彼女の顔を見て、
 彼女の匂いを感じ、
 彼女と同じ空気を共有するだけで、
 私は元気になれる。  

 常に誰かのためにいようとしているなのはママ。
 私だけのために居て欲しいけど、それは叶わない。
 だから今この瞬間だけは――

「ヴィヴィオ〜ご飯出来たよ」
「うん……」
「まだ熱いから少しだけ待っててね」
 そう言ってなのはママは息を吹きかけてお粥を冷ます。
 一生懸命お粥を冷まそうと息を吹きかけるなのはママの表情はとても可愛くて、
 その可愛い唇にキスをしたくなる衝動に駆られる。
 いきなりキスなんてしたらビックリするかな? 娘にいきなりキスされて驚かない
方がおかしいよね。
 だけどね、私はなのはママの事が大好きだから……
 だから――

「なのはママ……」
「なぁに?」
「眠るまで側に居て……」
「うん。ずっと側にいるから安心して」
「うん……」
 私だけのあなたで居て下さい。
 他の誰のものでもなく、私だけの……
 私だけのあなたで。

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