一年が終わり、そしてまた新たな一年が始まる。
 年明けくらいは、ゆっくりしたい。そんなことを思っていたのに。
 ゆっくりと、ノンビリとしながらこの時間を過ごすことが出来ると思っていたのに。
「もぉぉぉぉ! 何でこうなるのー!?」
「あっははは♪ 覚悟してもらおうか、なのはちゃん♪」
「嫌ぁあぁあああぁぁあぁあぁあっ!」
 どうして、こんなことになってしまっているのだろうか?
 私は、はやてちゃんと静かなお正月を過ごしたかっただけなのに。
 本当に何でなの?

 始まります……


 一年の終わり。その時をはやてちゃんと、ノンビリと過ごしていたはずだった。
 年越し蕎麦を食べて、炬燵の中でノンビリとテレビを見る。
 少しだけ優雅にお酒なんか飲みながら、年が変わる瞬間を待っていた。
 そして、一年が終わり新しい一年が始まった。
「明けましておめでとう、なのはちゃん」
「明けましておめでとう。はやてちゃん」
 お互い向き合ってお決まりの挨拶を交わす。今年一年がいい年でありますようにと。
「今年は、なのはちゃんと一緒に年を越すことが出来て、ほんまによかったわー♪」
「うん、わたしもだよ。こうしてはやてちゃんと一緒に年を越すことが出来て嬉しいな」
 軽くお酒を飲みながら、ゆったりとした時間を過ごす。
 年越しとは関係なく、こういう時間は好きだったりする。ここだけ時間の流れがゆったりとしている感覚が。
 だからなのかな。油断をしてしまっていたのは。
 いや、それとも単純にお酒のせいで思考能力が落ちていたのかな?
 とにかく、わたしは取り返しのつかない失言をしてしまったのです。
「なぁ、なのはちゃん。年が明けたら、せなあかんことをがあるの知ってるか?」
「しないといけないこと? 初詣?」
「いや、確かにそれも大事なことやけど。それよりも、もっと大事なことがあるんやで」
「う〜ん、何だろ? あ、でもそんなに大事なことならしないといけないよね」
「あぁ、そうやな♪」
「それじゃあ、はやてちゃん。その大事なことをするから、教えてちょうだい」
 本当に失言。何で、わたしはこんなことを言ってしまったのだろうか?
「くっ、ふふふ……♪ その言葉を待っていた! 言質は取らせてもらったでー!」
「ん……?」
「年明けにせなあかんこと。それは――姫はじめや! 新しい年を祝いながら互いの身体を重ね合わせる。
 これほど、大事なことはないんや!」
 高らかに、嬉しそうに、そして堂々と宣言をするはやてちゃん。
 年が変わった瞬間に、エッチをしようって。どれだけムードがないのだろう。
 これは是が非でも断らないといけない。そう思っていたけど……
「なのはちゃんは、さっきの言葉覚えてるよな」
「…………もしかして」
「大事なことをするって言ったよな! やるって言ったよな!」
「う、うぐ……」
 お酒のせいもあるんだろうけど、無駄にテンションが高くなっているはやてちゃん。
 わたしはわたしで、自分の迂闊さを悔やんでいる。どうして、あんなことを言ってしまったのだろうかと。
「いや〜新年早々、なのはちゃんの瑞々しい身体を貪れるとはな〜♪ 今年はいい年になりそうやな」
「え〜と、さっきの言葉を取り消すのはありかな?」
「なし、や♪」
「うぅ……」
「それじゃあ、早速食べさせてもらおうか!」
 がおー、とはやてちゃんがわたしに襲い掛かってくる。
 そして、冒頭の件になるわけだけど――

「もぉぉぉぉ! 何でこうなるのー!?」
「あっははは♪ 覚悟してもらおうか、なのはちゃん♪」
 お酒のせいで、身体があまり言うことを聞いてくれない。
 はやてちゃんの手から逃れることが出来ない。
「嫌ぁあぁあああぁぁあぁあぁあっ!」
 結局わたしは、はやてちゃんに捕まってそのまま美味しくいただかれてしまいました。
 うぅ〜、酷い一年の出だしだよ。
 気持ちよかったけど、でもどうかと思うの。ほんと、どうしてこんなことになってしまったのだろうか?
 迂闊な言葉というのは凄く怖いんだね。そんな勉強が出来た一日でした。

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