ポカポカと心地い陽気。
 ふと、気を抜けばそのまま眠ってしまいそうな温かさ。
 ぽかぽか、ぬくぬく……何かをするでもなく外の陽気を浴びながら座っている。
 隣には大切な人。その人と一緒に春の陽気を堪能している。
 偶には、こんなノンビリとした時間を過ごすのもいいと思うんだ。
 ノンビリと幸せな時間を過ごすのも……

 始まります。


「春だね〜♪」
「そうだね。春だね……」
「えへへ〜♪」
 ニコニコと満面の笑みを浮かべているなのは。
 春の陽気のせいか、普段よりも表情が緩々な気がするのは気のせいのかな?
「フェイトちゃん……?」
「どうかした? なのは」
「それはこっちの台詞かも。何だか嬉しそうな顔をしてたけど……」
「私、そんな顔してた?」
「うん。凄く幸せそうな顔してたよ?」
「そっか。だったらそれは、なのはのせいかな……?」
「わ、わたしの!?」
「うん。なのはのせい」
 私がこんなにも幸せな気持ちを抱くことが出来るのは――笑顔を浮かべることが出来るのは――
 間違いなく、なのはのせい……ううん、おかげだ。
「大好きだよ、なのは」
「あ、うん……わたしも好き」
 私の突然の告白になのはの顔が真っ赤に染まっていく。
 アタフタとしながら恥ずかしそうにしている。それが堪らなく愛おしい。
 可愛くて、だけど時に凛々しい。
 長い付き合いだけど未だに色々な発見がある。まだ私の見たことのない表情がある。
 なのはといるだけで私は何処までも前に進むことが出来るんだ。
「も、もう――っ! フェイトちゃんってば急にどうしたの?」
「う〜ん……」
 何でこんなことを言ってしまっているのか。
 普段からは割と好きだとは言っているけど、どうしてこのタイミングなのか。
 それはきっと――
「春の陽気のせいじゃないかな?」
「は、春の陽気のせい……?」
「そっ。こんなにも温かいと……ね?」
 ウィンクをしてなのはを抱き寄せる。
「わ、わわっ!? もう……っ」
 最初は驚いていたみたいだけど、なのはもすぐに私に頭を預けてきた。
 春の陽気にサラサラと頬を撫でるような風。
 ふぁあぁ……少し眠くなってきたかな?
 このまま少し寝てしまおうか。こんなノンビリとしながら眠るのも悪くはない。
 大好きな人と一緒に同じ時を過ごす。意味もなく時間を消費していく。
 それはきっと凄く幸せなことなんだと思う。
 春の陽気を感じながら、ふとそんなことを思うのだった。
「お休み、なのは……」
「おやすみ、フェイトちゃん」
「うん……」
 なのはと共に、温かい陽気に包まれながら夢の世界へと旅立つ。
 きっと夢の中でも、なのはと一緒にいると思う。
 何となくだけど、そんな気がしたんだ。何となく……ね。

 そうしてノンビリと過ごしていくある日の一日。
 偶にはこんな風にノンビリと過ごすのもいいと思うんだ。
 春のように……ゆっくりと。

inserted by FC2 system