なのはさんとのデート。
 全てはそのデートから始まった。
 久しぶりのデートは楽しくて時が経つのが速く感じた。
 そのデートの帰り、なのはさんから一本の花を貰った。
 いきなり一本だけ花を貰って、訳が分からないといった表情をしている私に
なのはさんが――
『これが今のわたしのティアナへの気持ちだよ』
 その言葉で理解した。
 どうやら花言葉になぞらえて気持ちを表現してくれているみたいだ。
『今度はティアナの気持ちを教えて欲しいかな』
 そう言って私の頬にキスをした――

 始まります。


 なのはさんから貰った花(気持ち)はどんな意味なんだろう?
 手元でクルクルと回しながらその花を見つめる。
 パンジー。
 この花言葉は――
 なのはさんの気持ちを知るために、パンジーの花言葉を調べる。
「ぱんじー。パンジー…………と、あった――っ!」
 パンジーの花言葉を知って、何かが込み上げてくるのが分かった。
「純愛……私のことを想って……」
 その花に込められた意味と彼女の気持ち。
 それが、あまりにも嬉しかったから。
 常に誰かの事を想って行動するなのはさん。
 あまり我儘を言わないなのはさん。
 その彼女が私だけに伝えた気持ち。
 きっと私しか知らないなのはさんの本心。
 だから私はその気持ちに応えなければならない。
 今の私の気持ちを最大限に表現して。
 この気持ちをあなたに伝えます――

 一本の花と共に――

「なのはさん。あの時の返事です」
 そう言って私は、なのはさんに一本の花を渡す。
「これ――」
「ももの花です。意味は――自分で調べて下さい」
「あれ? ティアナが教えてくれるんじゃないの?」
「初めはそのつもりでしたが……」
 そのつもりで色々と言葉を考えてきたけど、直前になって気が変わってしまった。
 気持ちを聞いて顔を真っ赤にするなのはさんを見るのも悪くはないけど、
「相手を焦らすのも恋の駆け引きの一つじゃないですか」
 だから今回は敢えて焦らしてみようと思う。
「もう……っ! ティアナったら……」
「でも、私の気持ちに嘘はありませんから。それだけは信じて下さい」
「……うん」
 それだけを言って私は逃げるように離れる。
 もう少しだけ居たかったが、あまり長く居るとつい花言葉を喋ってしまいそうだったから。
 まだまだ、なのはさんにイニシアチブは取らせませんよ。
 今は、まだ…………

 ――ももの花言葉――
 恋の奴隷。あなたに首ったけ。
 心配しなくても私は、あなたに昔から恋していましたよ。

inserted by FC2 system