「ア〜リサちゃん♪」
「なによ? すずか。やけに嬉しそうな顔してるけど」
 何か、機嫌がよくなるような事でもあったのかしら?
「うふふ〜♪」
 でも何故かしら? とてつもなく嫌な予感がするのは……

 始まります。


「アリサちゃん。Trick or treatだよ♪」
「は? お菓子なんか持ってないわ――」
 ――って、これってもしかしてお菓子をあげないと、本当にすずかに悪戯をされてしまうのかしら?
 すずかに悪戯をされる……
 それ自体は悪くはないんだけど、最近のすずかは本当に意地が悪いから、どんな悪戯をされるのか
想像が出来ないわね。
 少しエッチなぐらいなら問題はないんだろうけど、
 物凄くエッチな悪戯ならどうしよう。
 い、嫌じゃないのよ!
 ただ、すずかの体力の底が知れないっていうか、終わりがないっていうか……
 あーもう! とにかく悪戯をされるのは回避した方がいいわよね。
「少し待ってて。すぐに持ってくるから」
 そうね。とにかく回避しよう。

 がしっ!

「待って! アリサちゃん」
「す、すずか……なにかしら?」
「お菓子を準備されたら意味がなくなるよ」
「は……?」
 いやいや、あんたが自分でお菓子をくれなきゃ悪戯するぞって言ってるんだから、お菓子を用意
しようとしてるのに用意するなって……
「私はアリサちゃんに悪戯がしたいんだよ」
「…………」
「悪戯がしたいの」
 この子、二回言ったわよ。
「いいでしょ?」
「い、いいわけないでしょ!」
 なんでわざわざ悪戯をされないといけないのよ。
「アリサちゃん。我儘はいけないと思うの」
「我儘を言ってるのは、すずかの方でしょ!」
 まるであたしが悪いみたいな言い方……
「Trick or treat♪」
「ちょっ、すずか。止めなさ――」
「い・や♪」
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

「ふふ……♪ ご馳走様アリサちゃん」
「う、うぅ……」
 酷い。本当に酷いわ……
「来年のハロウィンが楽しみだね〜♪」
 来年は――

 絶対に来年はお菓子を用意しておくんだから!
 すずかには絶対に先手を取らせないんだからね!

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