他人には決して見せられないような姿。
 だらけて、だらしない姿。
 普段の彼女を知っている人が今のこの姿を見たら、どう思うだろうか?
 それほどまでに、今の彼女はだらけきっている。

 始まります。


「へぐ〜〜〜」
「なのはさん。ちゃんとした格好をして下さいよ」
「嫌〜」
「嫌って……」
「だって、面倒なんだも〜ん」
 そう言って、ゴロゴロとベッドの上を転がるなのはさん。
 普段のシッカリとした姿とは違って、物凄くだらけている。
「だからといって、下着姿のままでいるのは……」
 私の精神衛生上、問題があると言いますか……目のやり場に困ると言いますか……
「大丈夫だよ。ここには、わたしとティアナしかいないから」
 なのはさんにとっては大丈夫でも、私が大丈夫ではないんですって!
 大好きな、なのはさん。そのなのはさんが下着姿でゴロゴロしているんですよ!
 私がどれだけ理性を抑えるのに苦労していると思っているんですか!?
 本当なら今すぐにでも、襲いたいって思っているんですよ。
 それを必死で抑えているんです。
 ですから、私のためにちゃんとした格好をして下さい。お願いしますから。
「なのはさん!」
「ふみゅ〜」
 あ……今、物凄く嫌そうな顔をした。
 声だけ聞くと、だらけてるような気がするけど一瞬、物凄く嫌そうな顔をしていた。
 どれだけ着替えるのをめんどくさがっているんですか。
「ねぇティアナ〜」
 私の名前を呼びながら、ベッドをポンポンと叩いている。
「ティアナも一緒にベッドでゴロゴロしよ?」
「ぅ……っ」
 なのはさんの上目使い。プラス、瞳を潤ませるの二段コンボ。
 この表情をを見て、お願いを断れる人間はいない。
 勿論、私も例外ではない。

「はぁ……分かりましたよ」
「ティアナ♪」
 嬉しそうな顔を浮かべるなのはさん。ほんっと、この人の笑顔には敵わないと思う。
 なのはさんの隣に座り、改めてなのはさんを見る。
 ――うっ! これは本格的にマズイかもしれない。
 下着一枚という扇情的な格好に、美味しそうな胸やお尻。
 こんな姿を見て、我慢しろというのは酷ではないだろうか。
「あ、あの! なのはさん――」
「すぅ……すぅ……」
 ええー、寝てるんですか!?
 寝るのが早い――いやいや、そうじゃなくてこのままだと風邪を引きますって。
 布団をかけて、風邪を引かないようにする。
「はぁ」
 だらしないくらいに、だらけきっているし誘惑しておきながらお預けをくらうし――

「なんていうか、不幸?」
「にゅふふ……てぃあな……」
「そうでもない、か」
 大好きな人と一緒にいられる。それはやはり幸福な事だ。
 ましてや、他人には見せられないような姿まで見れているんだ。
 私だけの特権。
 だからこれは最高に幸せな事なんだ。

inserted by FC2 system