うだる様な暑さ。クーラーの効いていない部屋。
 何でこんなに暑いのよ! もっと涼しくなってもいいじゃない!
「ねぇすずか。いい加減クーラーつけない?」
「ダメだよアリサちゃん」
「そんな……」
 こんな暑いのを耐えろっていうの? そんなの無理よ。無理なのよ!

 始まります。


「すずか……」
「ダメだよ。今は節電とかしないといけないんだから、クーラーとかは切らないとね」
「何でよ。クーラーをつけるくらいいいじゃない」
 クーラーをつける代わりに違う物を消して節電をすればいいだけでしょ。
「それはダメなんだよ」
「何でよ!?」
「だって、暑いままだとアリサちゃんが段々と薄着になっていくから」
「はぁ!?」
 何よそれ! 何であたしが薄着になるのをすずかが期待しているのよ? 意味が分からないわよ!
「ほらもっと薄着になろうよ」
 ぐいぐいとすずかがあたしの服を脱がそうとしてくる。
「ちょっ、す、すずか! や、止めなさいよ!」
 マジで服を脱がそうとしてくるのは止めなさいよ! ただでさえ薄着なのに、これ以上
脱がされたら大変なことになっちゃうでしょ!
 てか、下着だけになっちゃうわよ!
「はぁ、はぁ……アリサちゃん。早く脱ごうよ」
「ダメだ、このすずか。早くなんとかしないと」
 すずかの前で下着一枚という恥ずかしい恰好を晒すことになってしまう。それだけは回避しないと。
 仮にすずかの前でそんな格好になってしまったら――

「ま、マズイわね……」
 きっと暴走したすずかに襲われてしまうだろう。すずかに襲われるのは嫌いじゃないけど、
こんな蒸し暑い中襲われるのは勘弁して欲しい。
「何がマズイのかな? そんなことより服を――」
 どこにそんな力があるのかってくらいの力で、あたしの服を引っ張る。
「だ、ダメ……っ! そんなに引っ張ったら、服が破れるわよ」
「大丈夫だよ。服が破れても新しいのを用意してあげるから」
「すずかっ!」
「アリサちゃん。アリサちゃん。アリサちゃん」
 もうあたしの声も聞こえていないようだ。
「ア〜リサちゃん♪」
「う、うあぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
 笑顔全開のすずかが襲いかかってくる。

「ふぅ……涼しいねぇ〜アリサちゃん」
「そうね。でも、もっと早くクーラーをつけてくれたらよかったのに」
 そうすれば、あたしがすずかに襲われることもなかったのに。
「ふふ……ごめんね。これも節電だから♪」
 そういう問題じゃないと思う。本質はもっと違うところにあるでしょ。
 それより、すずかの顔がテカテカとしてるんだけど。どんだけスッキリしてんのよ。
 あたしは、グッタリとしてるのに。
「涼しいねぇ〜♪」
 はぁ。色々と文句を言いたいけど、今日はもういいや。
 今はとにかく涼みたいからね。

 あ゛〜涼しいわ〜

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