今日訓練で少し失敗をしてしまった。失敗と言っても大した失敗では無く、ほとんど問題の無い失敗だった。
 でも、失敗は失敗だ。私はそう思う。たとえ仲間や周りに被害を及ぼす失敗では無くても、私はそれが許せない。
 そんな失敗をするようでは、あの人の所まで届かない。
 私の大好きな、あの人の所まで――

 始まります。


「はぁ……私のバカッ」
 一人夜空を見ながら今日の反省をする。
 あの時の失敗をなのはさんは全然気にする必要は無いと言ってくれたけど、私は納得していない。
 だって、こんな失敗をするようでは、あなたの隣に並ぶ事が出来ないから。
 私は、あなたを守れる力が欲しい。
 どんな物からでも守れる力が――
「ティ〜アナ♪ 何してるのかな?」
「――――っ!?」
 考え事をしている所に急になのはさんに声をかけられて、驚いてしまう。
「な、なのはさ――」
「もしかして、今日の訓練の事を考えてた?」
「――っ!?」
 一瞬にして、なのはさんに考えていた事を当てられてしまう。
 私ってそんなに分かりやすい顔でもしているのだろうか? それとも――
「訓練の時も言ったと思うけど、ティアナは少し気にし過ぎる所があるね」
「す、すみません」
 つい反射的に謝ってしまう。
「ううん。謝る必要は無いよ。悩むのも時には必要だしね。でも、もう少しだけ肩の力を抜こうよ」
「肩の力を……」
「それに、そんなに力ばかり入れてたら、ティアナの可愛い顔が台無しになるしね♪」
「な――っ!?」
 わ、私の顔が可愛いって……可愛いのは、なのはさんあなたです……
「にゃはは、照れている顔も可愛いよ」
 そう言って私を優しく抱き締める。
 いきなり抱き締められた私は、嬉しいやら恥ずかしいやらで半ばパニックになっていた。
「なのはさん……」
 それでも私はなのはさんを求めるように、腰に腕を回していた。
「私はティアナの上司って立場だけど、偶にはティアナのお姉さんになるのもいいかもね」
「え……?」
 なのはさんが突然お姉さんになる発言をする。
「な、なのはさん……?」
「何でかな? ティアナを見ているとどうしても放っておけないんだよね」
 それは――
「それは、私が危なっかしいからですか?」
「違うよ。ティアナはもう充分強くなったし、安心して見ていられるよ」
 なのはさんは私の疑念を吹き飛ばすように否定する。
「で、では――」
 期待の面持ちで聞く。
「う〜ん……母性本能をくすぐられる感じ?」
「聞かれても……」
 少し期待していたけど、なのはさん自身でも分かっていないのかもしれない。
「わたしとティアナじゃ親子にはなれないから、お姉さんかなって」
 ああ、この人は本当に――
「では、私もなのはさんの事はお姉さんと――」
「ふふ……でも普段はダメだよ。オフの時とか偶にだけだよ」
 本当に、天然で私の心をかき乱す。
「はい、分かりましたお姉さん」
「ふふ……♪」

 普段は強くて憧れてて、狂おしいまで愛している上司。 
 でも、偶にはこういうのもいいのかもしれない。
「お姉さん……か」
 それでも、いつかは恋人まで行く事が出来たらどんなに嬉しい事だろうか?
 そう、どんなに――

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