自分が望んでいる物は決して手の届かない場所にあるんだと思っていた。
 でも、それは私の思い違いである事が分かった。
 それを気がつかせてくれたのは君だ。
 君が居たから私は――

 始まります。


「はぁ……ただいま」
「お帰りなさい。はやてちゃん♪」
「ただいま。なのはちゃん」
 今日も遅くまで仕事をしていて帰りが遅くなったというのに、なのはちゃんは私の帰りを待っていてくれた。
 なのはちゃん自身も忙しいのに、私のために寝ずにずっと私を待っていてくれた。
 少しはちゃんと休んでほしいと思う反面、待っていてくれたという事実が嬉しく思う。
「はぁ〜疲れた〜」
 私はだらしなくベッドに身を投げる。
「はやてちゃんそのままで寝たらダメだよ」
 そんな私になのはちゃんは、優しく窘める。
「はは……ごめんな?」
 ほんと、なのはちゃんは優しい。こんな私と一緒にいてくれるだけではなく、色々と世話を焼いてくれる。
 別に私が何も出来ないというわけではないんやけど、なのはちゃんに色々と世話を焼いてもらうのは嬉しいから、
だからその厚意に甘えている。
「にゃはは、はやてちゃん本当にお疲れなんだね」
「そうや」
「えらい、えらい♪」
 そう言ってなのはちゃんは私の頭を撫でる。
 この年齢で頭を撫でられるというのは少々恥ずかしいものがあるが、なのはちゃんがしてくれる行為はどれも
嬉しく思えるから不思議だ。
「ふふ……はやてちゃん。少しは休まったかな?」
「せやね……」
 なのはちゃんの笑顔を見るだけでも心が休まるのだが、ちょっとした悪戯心から余計な事を言う。
「なのはちゃんのお胸に包まれたら、もっと休まるかもしれんな」
 休まるどころか、テンションが異常にあがってしまうだろう。
 それほど、なのはちゃんのお胸は気持ちがいいのだ。
 なのはちゃんのお胸の良さについて語るのはまたの機会にして、なのはちゃんは少し考えた後、
「はやてちゃんが喜ぶなら、わたしはいいよ」
 なんて、トンデモ発言をした。
 いや……実際は私の方からお願いしてるんやから、間違ってはいないんだけど、やっぱりその……実は、
断るんじゃないかと思っていたわけで……顔を真っ赤にしているなのはちゃんを見てみたいなぁ〜とか思って
いた私の方が今は、顔を真っ赤に染めあげている。
「はやてちゃん……」
 そんな私の状況なんかお構いなしに、なのはちゃんは私を優しく包み込む。
「なの――」
 なんとか言葉を出そうとするが、なのはちゃんの柔らかい身体とか匂いが私の思考を侵して、何も考えられなく
なっている。
「はやてちゃん。わたしはね――」
 私を抱き締めたまま、なのはちゃんが言葉を続ける。
「はやてちゃんが望むなら何でも出来るんだよ」
 その言葉はとても甘美で――
「そう。あなたが望むなら何でも……ね?」
 心地いい響きだった。

 ああ、なのはちゃん。ほんまに君は私に色々な物を与えてくれる。
 今、私が望む物。それは――


『なのはちゃんの隣を歩く事。ずっと君といられる事それだけやよ』
 それだけを想いながら私は眠りにつく。

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